2025.04.25 11:30

「世界最大の盗品」を収蔵する大英博物館、それでも訪れる価値はあるのか?

英ロンドンの大英博物館で、古代ギリシャの胸像をスマートフォンで撮影する見学者。2023年8月23日撮影(Leon Neal/Getty Images)

大英博物館の見どころ

古代エジプトのミイラからアッシリアのレリーフ、世界中の先住民が生み出した精巧な工芸品に至るまで、大英博物館の膨大な数に及ぶ収蔵品は200万年以上の歴史にわたる。見どころには、ロゼッタストーンやエルギンマーブルのほか、古代エジプトをテーマにした広間やアッシリアのライオン狩りのレリーフ、英中世初期の墓地サットンフーから出土した宝物などがある。

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しかし、すべてが壮大な大広間に並んでいるわけではない。人混みを一歩離れると、時計の進化を紹介する魅力的な部屋や、ひっそりとたたずむ繊細な陶磁器など、好奇心を満たす小さくて静かなギャラリーがある。これらの空間は観光客にはあまり知られていないが、大英博物館が所蔵する品々の奥深さと多様性を示しており、ゆっくりと探索する価値のある場所となっている。

大英博物館を訪れるためのヒント

論争は続いているものの、大英博物館は毎年600万人以上の来館者を集め続けている。歴史や芸術の愛好家や好奇心旺盛な旅行者にとって、同博物館の魅力は否定できない。人類の文明の功績と苦闘をこれほど包括的に一箇所で紹介する施設はめったにないからだ。象徴的なガラス屋根を備えた建物自体も一見の価値がある。

訪問を最大限に楽しむには、事前の計画が不可欠だ。大英博物館への入場は無料だが、特に観光シーズンや週末には事前にオンラインで時間指定の入場枠を確保することを強く推奨する。事前にチケットを予約していない人には別の入口が設けられており、常に長蛇の列ができている。

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博物館は広大であるため、何を見たいのかを大まかに考えておくと、見学に集中しやすくなる。古代エジプトのミイラやロゼッタストーンの周辺は混雑することが予想されるため、これらを必ず見たい場合は早めに到着し、他の場所を散策する前に直行しよう。逆に、最も混雑した場所を避けたい場合は、米州や大洋州、アフリカなど、あまり知られていないものの魅力的な収蔵品を見て回ることで、静かに思索にふけることができるだろう。

もっと深く知りたい場合は、博物館の特別展やガイドツアーに参加することを検討しよう。特別展の中には有料のものもある。大英博物館では自分で見て回れるよう、音声ガイドのほか、公式ウェブサイトから無料でダウンロードできるガイドも入手可能だ。

見どころを巡る1時間の短いツアーを選択する場合でも、丸1日かけて探索する場合でも、大英博物館は、論争の的となりながらも世界が共有する歴史を巡る忘れられない旅にいざなってくれる。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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