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2025.04.25 10:30

アドビが「AI時代のクリエイターを守る無料ツール」を開発する理由

アドビ コンテンツ認証イニシアチブ担当シニアディレクターのアンディ・パーソンズ氏

C2PAというニュートラルな団体で定められた技術により、デジタルコンテンツとクリエイターの署名は強固に結び付けられる。第三者により不正な編集が行われればその署名が無効になり、反対に署名が有効である限りは作品の出処と作者情報が常に保証される。

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従来の電子透かし技術(ウォーターマーク)は、例えば画像データに対して意図的にノイズを加えることで除去されたり、悪用されたりする可能性があった。コンテンツクレデンシャルは従来の電子透かしに加えて、デジタルフィンガープリントと独自のメタ情報を同時に付与する。これにより「コンテンツ認証情報なし」で編集された不正な使用・加工が疑われるファイルを見抜くことができるため、さらに高い堅牢性が確保される点が特徴だ。

Adobe Content Authenticityにはデータに付与されたコンテンツクレデンシャルを参照できる機能が搭載されている。またAdobe Content Authenticityでなくとも、CAIが公開するコンテンツクレデンシャルの確認サイト「Verify」からコンテンツの来歴を確かめる方法もある。

「AIに学習されたくない」というクリエイターの意思もファイルに付与

ウェブアプリのAdobe Content Authenticityはシンプルなドラッグ&ドロップ操作により、ファイルにコンテンツクレデンシャルを付与して書き出せる。当初は最大50件の静止画ファイルを処理できるパフォーマンスを確保する。今後は対象とするファイル形式をビデオ、オーディオにも拡大する。

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ユーザーがAdobe Content Authenticityアプリから作品に署名を行う(コンテンツクレデンシャル付与する)際には、あらかじめAdobeアカウントに登録した名前をメタ情報の中に書き込む。「なりすまし」を防ぐために、より厳格な本人確認オプションも順次追加導入する。ユーザーのSNSサービスのプロフィール連携はそのひとつの手段であり、LinkedIn、Instagram、Adobe Behanceに登録したユーザー情報をコンテンツクレデンシャルに引き継ぐ機能は先に実装を済ませている。

アプリからファイルを書き出す際、生成AIの学習・利用に関する設定(Generative AI Training and Usage Preference)のフラグを選択できる。これは、クリエイターが自分の作品をAIモデルの学習に使ってほしくないことの意思表示をコンテンツクレデンシャル内に記録するための機能だ。

Adobe Content Authenticityで自分の作品をAIモデルの学習に使って欲しくないという意思表示も付与することができる
Adobe Content Authenticityで自分の作品をAIモデルの学習に使って欲しくないという意思表示も付与することができる
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編集=安井克至

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