たしかに、ドル安は米国にとってメリットもある。米国から輸出される製品の価格が外国の買い手にとって割安になるため、米国の輸出企業は恩恵を受けることになる。
ただ、筆者が懸念しているのは、ドルが下落している理由だ。外国の中央銀行はしばらく前から米国債の売却を続けてきたが、ここ数カ月、償還期間が長めの米国債の売り圧力が高まっている。今年2月までの4カ月間で、外国の機関投資家はおよそ900億ドル(約13兆円)を売り越した。
個人投資家はラリーに乗り遅れている
金価格の上昇にもかかわらず、個人投資家の金へのエクスポージャーは依然としてかなり低い水準だ。金に裏づけられた上場投資信託(ETF)資産がETF資産全体に占める割合は、足元では2%足らずにとどまっている。2011年には約8%だった。2月以降、金ETFへの投資は大きく伸びてきているものの、保有残高は2020年10月のピーク時に比べるとまだ19%ほど少ない。
金鉱株ETFのシェアはもっと低く、株式ETF全体の0.5%にも満たない。金鉱株は今年これまで最もパフォーマンスの高い投資先になっているだけに、もったいない話だ。ニューヨーク証券取引所(NYSE)のArca金鉱株インデックス(GDM)は17日終値までにおよそ50%上昇している。S&P500種株価指数はこの間に10%近く下落している。
そのS&P500の構成銘柄で今年最も上昇率が高くなっているのも、驚くなかれ、世界最大の金鉱会社ニューモントなのだ。ニューモント株は4月17日まで50%強上げている。ヘルスケアのCVSヘルスが47%高でこれに続く。
アナリストらはニューモントの先行きについても明るい見通しを示している。ファクトセットの調査では、今年の1株当たり利益(EPS)は13%増の3.92ドル、来年も8%増の4.23ドルと予想されている。
南アでもゴールドラッシュ
相場の上昇は米国上場の金鉱株に限らない。南アフリカでも金価格の急騰を背景に金鉱会社の株価が急伸していて、ランド建てのFTSE/JSE貴金属・鉱業指数は過去最高値を更新した。金価格は今月、史上初めて1トロイオンス6万ランドを超えている。


