2. 常に平等とは限らない(それで問題ない)
カップルはどんな時もそれぞれが同じだけ負担すべきだという考えは公平に聞こえるが、実際にはそれで関係はうまくいかない。人生は順風満帆のときもあれば困難な時もある。カップルのどちらかが悲しみやストレス、病気を抱えている場合、当然のことながらもう片方が感情的あるいは実際的な負担を背負うことになる。どんなときも平等に、という融通のきかない考え方は寛大さを恨みに変え、与えることを愛情ある選択ではなく重荷のように感じさせてしまう。
研究は柔軟なアプローチを支持している。専門誌『ジャーナル・オブ・ソーシャル・アンド・パーソナル・リレーションシップス』に掲載されたある研究(2012年)によると、頻繁かつ対処可能な犠牲は、さほど困難だと感じない場合においては特に関係の満足度を高めることにつながるという。だが、ここでちょっとした注意事項がある。犠牲がもたらすポジティブな影響の度合いはその人の愛着スタイル(人間関係の築き方の傾向)によって異なる。愛着スタイルがさほど「不安型」や「回避型」ではない人は、たとえ犠牲が完全に半々でなくても、相手に与えたり、与えてもらったりすることに大きな満足を見出していた。
このことは、誰が何を与えたかを集計することが重要なのではなく、どのような気持ちで与えているかが重要であることを示している。恋愛関係は完全な公平性の上ではなく、感情面の柔軟性、つまり一方がより多くを与えることもあることを知り、思いやりが最終的には互いにとってプラスになることを信じることで発展する。
柔軟性をもたせる方法を下に挙げる。
・余力がなくなったときははっきり伝える:もしあなたが多くのことを背負い込んでいるなら、「最近多くのことをこなしている。○○を手伝ってくれない?」などと言うといい。はっきりお願いすることでバーンアウト(燃え尽き症候群)を予防でき、互いに気遣うようになる。
・犠牲を選んで腹を立ててはいけない:「イエス」と言う前に、自問しよう。これは愛情か、それとも義務のように思っているか。最も健全な与える行為はプレッシャーではなく、選択から生まれる。
・小さなことに注目する:犠牲は必ずしも大きなものではない。お互いのためにする日々の小さな行為に感謝するといい。そのような感謝の気持ちを持てば、バランスのとれた回復力のある関係になる。


