若者を中心に一人暮らしの食生活に対する満足度が高くなっている。キユーピーが毎年単身者を対象に調査している「えがおの食生活研究」で、そんな結果が現れている。
まず食生活の満足度では、20代の男性が44.7%「満足している」と回答。20代女性も40.1%と全体の平均37.9%に比べ高く、若者を中心に食生活に満足している人が他の年代より高い傾向にあった。

食事を手作りする人の割合は、2019年から2024年の5年間で男性の方が3.9ポイント上昇し、女性をわずかに上回っている。年代別に見てみると、男性は30代が増加した一方、女性は40代が減っている。コロナ禍で外食から自炊へ変化した習慣が定着したり、ライフスタイルの変化によって男女比のバランスも変わってきたのかもしれない。

ただ、手作りの概念も変化しており、「生鮮を使って素材から作った」と回答した人は、年々下がっており、「後は焼く・揚げるためだけの加工食品を利用して作った」「パスタ麺を茹でて市販のパスタソースをかけた」「生卵を茹でてゆで卵にした」なども「手作り」に該当すると回答する人が増加している。

また、食事のメニューで重視する点については、「手間がかからないこと」「短時間で作れること」「予算内に収まること」など、いずれも11年前に比べて減少傾向にあり、一方で増加しているのが「ひとつもない」で、他の項目よりも高い25.1%となっており、食に対するこだわりが薄れている傾向にあるのかもしれない。

最後に、自宅にコンロ(IH含む)があるかの問いに、ほとんどの世代で「コンロがない」との回答が増えている。特に20代男性は3割近くに達し、女性は40代以外6ポイント以上の増加を示している。最近は電子レンジさえあればなんとかなる時代なので、脱コンロは今後も進む可能性はある。

筆者は一人暮らしではないが、昼食で「パスタ麺を茹でて市販のパスタソースをかける」はよくやる。ただコンロは使わず、手作りという感覚はないが、満足はしている。食事に対するこだわりは持ち続けたいが、時代ととも価値観や意識が変化していくことは避けられないのかもしれない。
出典:キユーピー「2024年度えがおの食生活研究」より



