自分の趣味が、単なる楽しみ以上のものになる──それはまさに、魔法のような、夢がかなった瞬間といえるだろう。筆者もそうした体験をしたことがあるので、その気持ちは非常によくわかる。
好きでやっている趣味が、実生活でも自分を支えてくれるとなれば、興奮して夢中になるのも無理もない。だが、そこには落とし穴がある。ドーパミンがみなぎる高揚感は格別だが、同時に、それが起業の現実を見る目を曇らせるおそれもあるからだ。
事業は、自ら作り出す物事への情熱や愛だけで成り立つものではない。そうした情熱は、苦境を乗り切る役には立つが、それだけでは足りず、戦略が不可欠だ。さらに重要な点として、地に足をつけ、起業に関する魅力的とはいえない側面も直視する必要がある。
優れた能力と大好きな物事を持つすべての人が、趣味をビジネスとして成功させられるわけではない。実際、非常に基本的な、あるいは誰でも気づきそうなミスによって、趣味から始めた事業が暗礁に乗り上げることもある。
立ち上げたばかりの事業が早々に失速して頓挫するという、多くの人がおちいる道を避けたいのなら、以下に挙げる、つまずきがちな5つのポイントについて用心するといいだろう。