この大蛇は、ワニなどの大型脊椎動物を捕食したと考えられ、現代のアナコンダと同じように、締め付けによって獲物の動きを封じたようだ。
ティタノボアの身体構造は、多くの現生ヘビとはかなり異なっており、水生または半水生への適応を備えている。化石証拠からは、パワフルな筋肉質の体をもち、水中を効率よく移動できたことが示唆される。
また研究から、ティタノボアの巨体が、暁新世の大気の酸素濃度が現代よりも高かった結果である可能性も指摘されている。高い酸素濃度のおかげで、爬虫類を含む当時の多くの動物は、より大きな体をもつように進化したのかもしれない。
途方もない巨体にもかかわらず、ティタノボアはやがて絶滅した。暁新世末の気候変動と地球生態系の変化が原因のようだ。気候が寒冷化し、森林が衰退したことで、ティタノボアは理想的な生息環境を失い、落日を迎えたのかもしれない。
ジャイアントバイソン
ジャイアントバイソン(学名:Bison latifrons)は、更新世(約24万年前~1万年前)の北米をのし歩いていた巨大動物だ。陸生哺乳類としては史上最大級であり、オスの成獣は肩までの高さ約2.4m、体重約1.8トンに達した。弧を描く長い角は、最長で1.8mを誇った。
ジャイアントバイソンは草食で、北の草原や開けたサバンナで草を食み、さまざまな種の植物を餌にした。
ジャイアントバイソンは、現生のバイソンと比べてはるかに大きく、がっしりした体格をしていた。これはおそらく、氷河期の過酷な寒冷気候への適応だろう。巨躯と分厚い毛皮は、更新世の特徴である氷点下の気温に耐えるのに役立ったはずだ。
化石証拠によれば、ジャイアントバイソンは、現生のバイソンと同じように群れで生活していた。その堂々たる角によって、スミロドン(サーベルタイガー)などのいわゆる「剣歯虎」やダイアウルフといった捕食者から身を守っていた可能性がある。
ジャイアントバイソンは、「メガファウナ(大型動物相)」と呼ばれる巨大動物群集の一員であり、その巨体のおかげで氷河期の北米生態系において重要な役割を占めていた。


