サイエンス

2025.04.26 17:00

ダイアウルフに続け、生物学者が「復活」して欲しい絶滅した巨大動物

遺伝子編集技術で復活したダイアウルフ(Aunt Spray / Shutterstock.com)

遺伝子編集技術で復活したダイアウルフ(Aunt Spray / Shutterstock.com)

テキサス州ダラスに本社を置くバイオテクノロジー企業Colossal Biosciences(コロッサル・バイオサイエンシズ)は2025年4月7日、画期的なブレイクスルーを発表した。カリーシ、ロムルス、レムスと名付けられた、3頭の「ダイアウルフ」を世界に公開したのだ。

この発表が衝撃的だったのは、ダイアウルフは約1万年前に絶滅した種だからだ。コロッサル社は、ダイアウルフの遺伝子配列を特定し、近縁のハイイロオオカミとのあいだで最も顕著な差が見られた部分を、遺伝子編集技術によってハイイロオオカミに導入することで、ダイアウルフを「復活」させた(現時点で、ハイイロオオカミとダイアウルフの遺伝子組成は99%以上が共通するとされている)。

遺伝子編集によって生まれたダイアウルフを、「本物」のダイアウルフと呼べるかどうかには疑問が残る。科学者のなかには、絶滅種を真の意味で復活させるにはクローン技術が必要であり、遺伝子編集はあくまでその途中の段階にすぎないという見解もある。

議論の行方はさておき、これが偉業であることは確かで、遺伝学における大きなブレイクスルーを物語っている。コロッサル社は現在、ケナガマンモス、ドードー、フクロオオカミの「復活」を視野に入れているという。

SFを現実にするという同社のヴィジョンに影響を受けて、筆者は、コロッサル社の「復活候補リスト」にぜひ加えてほしいと思う動物のリストをつくってみた。はるか昔に絶滅したこれらの動物について、紹介していこう。

ティタノボア

ティタノボア。学名:Titanoboa cerrejonensis(Michael Rosskothen / Shutterstock.com)
ティタノボア。学名:Titanoboa cerrejonensis(Michael Rosskothen / Shutterstock.com)

ティタノボア(学名:Titanoboa cerrejonensis)は、とてつもない大きさの先史時代のヘビで、約6000万年前の暁新世に生きていた。この種は、史上最大のヘビだったと考えられており、全長は13m弱、体重は1トン以上に達したとされる。

ティタノボアの化石は、南米コロンビアのセレホン炭鉱で、古代の堆積層に埋まって保存された状態で発見された。ティタノボアの巨体はおそらく、当時の温暖な熱帯気候の賜物であり、豊富な食料と理想的な気候条件が、規格外の爬虫類を生み出したのだと考えられる。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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