スタートアップ

2025.04.24 15:15

2025年、私が注目している日本のスタートアップ領域

日本の防衛費の増加:GDPの1%から2%へ

今や「防衛テック」はVC界で流行りのバズワードとなっているため、このテーマに触れるのを正直なところためらいました。しかし、日本の現状を考えると、このテーマが非常に重要であることは明らかです。日本は地理的に台湾に近く、国内には120を超える米軍基地があり、5万3000人以上の米軍人が駐留しています。実際、日本は世界で最も多くの米軍が駐留している国なのです

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日本政府は、2027年までに防衛予算をGDPの2%に引き上げる計画を打ち出しています。これは、従来の1%の上限からの大きな転換を意味します。2025年度の防衛予算は、前年度比9.4%増の過去最高額、約8兆7000億円(約551億ドル)で閣議決定されました。これと並行して、政府はスタートアップ企業の積極的な参画も強く求めています。具体的には、先端技術を防衛装備の開発に活用するため、防衛省と経済産業省が連携して「デュアルユース・スタートアップエコシステム」の構築を目指しています。また、その一環として新たに「スタートアップ技術提案評価方式」が導入され、防衛省および自衛隊が政策課題を提示し、スタートアップ企業から直接技術提案を受けられる仕組みが整備されました。この制度により、提案要件が緩和され、場合によっては従来の入札プロセスを省略することも可能となります。私たちも防衛省の担当者と直接話をする機会があり、彼らがスタートアップ企業との連携を深めることに非常に真剣に取り組んでいることを確認しました。

AIエージェントとコパイロットが、 人間とソフトウェアの両方を代替する

AIエージェントは、特定の目標を達成するために設計された自律的なソフトウェアシステムで、最小限の人間の介入で自ら環境を認識し、意思決定を行い、タスクを遂行できます。言い換えれば、人間をそのまま(あるいはそれ以上の能力で)AI化したようなものです。一方で、コパイロットは人間を完全に置き換えるのではなく、その能力を拡張し、タスクの遂行をサポートするように設計されています。

AIエージェントやコパイロットは、どちらもVC界で流行のバズワードです。しかし、以前にも書いたように、これらは日本にとって特に重要な、より大きなテーマの一部でもあります。日本では近年、生産性向上や人口減少への対策として、SaaSや自動化の導入が急速に進んでいます。その中でAI、特にAIエージェントは、この流れをさらに加速させる鍵となるでしょう。確かに、これらはトレンドの投資テーマではありますが、日本にとってもはや無視できない重要な分野でもあるのです。このテーマについては昨年の記事でも取り上げましたが、今後もこの分野で独自の挑戦をする起業家と積極的にお会いしたいと考えています。

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文=James Riney

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