さまざまな分野のプロフェッショナルによる批判的思考、創造的思考
2024年、Indeedは生成AIを今年最も注目される技術系スキルとして位置づけ、そのスキルの取得により年収が47%アップすることを示した(AWSの調査もこれを裏付けている)。しかし、多くの人が見逃しがちなのは、生成AIは、営業やマーケティング、人事などさまざまな分野ごとに高い専門性を備えたプロフェッショナルがいてこそ効果を発揮するということだ。
1300社以上の企業を調査したAWSの調査では、回答した企業の73%が「コーディングなど技術的スキルを持つ労働者だけに注目しているわけではない。企業は、情報を客観的かつ論理的に分析できる批判的思考、新しいアイデアや解決策を生み出せる創造的思考をさらに求めている」という意見に同意している。
これらは一般に「ソフトスキル」と呼ばれるものだが、それがビジネスやキャリアの成功の原動力となるため、最近では「パワースキル」とも呼ばれるようになっている。
したがって、もしあなたがChatGPTにプロンプトを入力し、その出力をそのまま使っているだけなら(おそらくあちこちに少し手を加えるだろうが)、あなたはAIに強く依存している状況にとどまっている。その状況は、あなたのプロフェッショナルとしての誠実さと、あなたのビジネスにとって悪い印象を与えることになる。
生成AIよりも重要な「創造的なコミュニケーションスキル」
そして、2025年に必要とされるスキルの第1位となっているのが、コミュニケーションスキルだ。LinkedInが発表した2024年版のレポートでも、コミュニケーションスキルがトップスキルとして挙げられていることからも、これは納得がいく。しかし、単に情報を正確に伝えるだけのコミュニケーションではない。人間ならではの「創造的なコミュニケーション」だ。
端的にいえば、コミュニケーションスキルや創造的思考の不足はAIには補えないということだ。AIは、アシスタントとしてあなたの仕事を補強するためにある。ブレーンストーミングの補助、コンテンツやその構成についてのアイデア出し、アウトラインやサンプル原稿の下書きの補助などに役立つだろう。
しかし繰り返すが、AIによるアウトプットをそのまま鵜呑みにしてはいけない。あなたがユニークであることを際立たせ、あなたのコンテンツやコミュニケーションが他の人と同質であると思われないように、あなたの人間的な声を織り交ぜるべきだ。本稿では、創造的なコミュニケーションスキルを実践的に身に付けると同時に、AIに負けないキャリアを築くための5つのステップを紹介する。


