ビジネス

2025.05.02 15:15

そのビジョンは「社内で生きている」か。遊具の展示会に行って考えたこと

イベントのテーマであるさまざまな「あそびでこえる」を展示

ビジョンが作用している証拠

さらに驚かされるのは、少子高齢化により市場縮小が進む遊具業界において、ジャクエツが着実に売り上げを伸ばしている点である。それも、深澤直人、佐藤卓、為末大といった錚々たるクリエイターたちと共創しながら、エポックメイキングな製品を次々と生み出している。これは、ビジョンが明確に作用している何よりの証左であり、「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」はグッドデザイン大賞のみならず、経営にフォーカスしたビジネスモデル大賞にも値すると私は考える。

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というのも、このプロジェクトは障害のある子どもへ配慮したソーシャルグッドな活動である。一般的に子どもや障害者にまつわる社会的意義の高いプロジェクトは高く評価されがちだ。だが、それは一歩間違えば「社会にいいことをしているから、評価された」という誤解を招く。私はジャクエツの取り組みに、ビジョンを体現した骨太なビジネスモデルとしての強さを感じるのだ。

ジャクエツ徳本達郎 代表取締役社長(右)、徳本誠 取締役専務執行役員(左)。本社ショールームにて
ジャクエツ徳本達郎 代表取締役社長(右)、徳本誠 取締役専務執行役員(左)。本社ショールームにて

私が主宰するPARaDEでは、“いい会社”とは何かをテーマに活動している。その中で常に重視しているのは、共通善(社会的な正しさ)だけでなく、個別善(自社固有の意義)に根ざした明確なビジョンを持ち、それを具体的なプロセスモデルに落とし込み、愚直に実行し、社会に向けて発露していること。ジャクエツは、まさにそれを体現する会社だと言える。

ビジョンを広く世の中に伝播させるには、プロセスモデルだけでなく、実行する覚悟、根気、社員との丁寧なコミュニケーション、そして時間をかけて育まれる社内文化が不可欠だ。それを実践している企業は決して多くはない。だからこそPARaDEでは、そのような「いい会社」を一つでも多く世の中に増やすことを目指している。改めてあらゆる企業のビジョンに対して、こう問いかけたい。

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「そのビジョンを実行するためのプロセスモデルや覚悟はありますか?」

ジャクエツ本社を訪問した際、実際に遊具を体験する中川
ジャクエツ本社を訪問した際、実際に遊具を体験する中川

連載:拡がる“ライフスタンス”エコノミー

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文=中川淳 構成=国府田淳

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