北米

2025.04.23 09:30

イーロン・マスクの最初の妻が「ビリオネアになれなかった」理由

イーロン・マスク(Andrew Harnik/Getty Images)

2人は翌2000年に結婚し、2002年までにロサンゼルスに移住した。マスクはそこでスペースXを設立し、その2年後にテスラに出資し、取締役に就任。一方、ジャスティンは2002年から2006年のわずか4年間で、6人の息子を出産した。また彼女は創作活動にも取り組み、2005年から2008年の間に3冊の小説を出版している。

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マスクは2008年にテスラのCEOになったが、その数カ月前にジャスティンに離婚を申し出た。そして、その6週間後に、次の妻となる女性と婚約した。マスクは、その4年後の2012年に保有資産20億ドル(約2800億円)でフォーブスの世界富豪ランキングに初登場していた。

離婚訴訟の争点となった「契約」

ジャスティンによれば、彼女は離婚プロセスの中で2人の自宅や子どもの養育費、マスクのテスラ株の持ち分の10%、スペースX株の持ち分の5%、さらに600万ドル(約8億4000万円)とテスラのロードスターを要求していた。フォーブスは、仮に彼女がこれらのすべてを手にしていれば、現在の資産は173億ドル(約2兆4000億円)になっていたと試算している。しかし実際には、全く違う結果となった。

マスクは彼女のこれらの要求に対し、税引前で8000万ドル(約110億円)の和解案を提示した。だがジャスティンはこれを拒否し、テスラやスペースXの株を求めた。しかし、最終的に彼女はそのどちらも得られず、和解案よりも大幅に少ない額しか受け取れなかったという。

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最大の理由は、彼女が2000年3月にマスクが提示した2人の結婚についての契約に署名していたことだった。ジャスティンは2010年の雑誌『マリー・クレール』への寄稿でその経緯を振り返り、「私は、夫を信頼していた。だからこそ結婚した。そして自分に『離婚なんてするはずがない』と言い聞かせていた」と記していた。

彼女は、後になってその契約の内容に気づいたのだという。「私は結婚によって得られるはずの権利を、すべて事実上放棄していた。ただし家だけは、子どもが生まれたら私の名義になることになっていた」とジャスティンは述べていた。2008年に彼女はマスクを訴え、契約の無効を主張した。この訴訟は2年間続き、マスクは少なくとも400万ドル(5億6000万円)の弁護士費用を支払ったが、最終的に裁判所は彼の主張を認めた。

マスクによれば、最終的にジャスティンが得たのは税引後で2000万ドル(28億円)だったが、そのうち半分はベルエアの自宅で、残りは月額2万ドル(約280万円)の「衣類や靴などの自由に使える経費」だったという。また、子ども関連の費用や家庭のすべての支出は、この2000万ドルとは別に支払うことにしたとマスクは記している。

二人目の妻

ジャスティンと離婚した直後、マスクは英国の女優、タルラ・ライリーと出会い、すぐに恋に落ちた。ライリーは2018年のドキュメンタリー番組『60ミニッツ』で「すべてがとても早く進みました。出会ってから2週間で婚約しました。私は22歳で、彼はとても魅力的で、間違いなく最も興味深く風変わりな人でした」と語っていた。

2人は2010年から2012年、そして2013年から2016年までの2度にわたって結婚していた。子どもはもうけなかったが、報道によればライリーが離婚で得た金額はジャスティンと同程度だったという。2022年にライリーはマスクのことを「完璧な元夫」で「素晴らしい友人」だと評していた。

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編集=上田裕資

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