欧州

2025.04.21 09:00

ウクライナ、新世代の「迎撃ドローン」でロシアのシャヘドに対抗へ

ウクライナの新型迎撃ドローンとみられる機体(ウクライナのゼレンスキー大統領が通信アプリ「テレグラム」に投稿した映像より)

明かされない詳細

ウクライナの機動防空チームヘリコプター空対空ミサイル地対空ミサイルによるシャヘドの撃墜や、ジャミング(電波妨害)による制圧の映像は、折に触れてソーシャルメディアに投稿されている。作戦保全のために、ドローンによるシャヘド迎撃の映像は公開されていないようだ。当然だろう。ロシア側は、どのエリアが迎撃ドローンによってカバーされているのかや、迎撃ドローンは正面と側面どちらの方向から攻撃可能なのか、実際の飛行速度はどれくらいなのか、あるいは高度はどのくらいに達するのかといった点について、正確な情報を知りたがっているはずだからだ。

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一国全体を迎撃ドローンでカバーするというのは大きな課題だ。迎撃ドローンは比較的低速で射程も短いため、波のように押し寄せるシャヘドの大群に対応するには多数の発射場や機動発射部隊を用意し、相応の数の迎撃ドローンを配備する必要がある。初期段階で数千機が必要だろうし、その後もシャヘドをはじめとする攻撃ドローンの数に見合うように、さらに何千機も必要になるだろう。

詳細が明らかになるのはしばらく先になりそうだが、迎撃ドローンの生産や配備が本格化しているのは確実だ。ダークスターの関係者は今月、「ウクライナは向こう2〜4カ月でシャヘドによるテロを解決する」可能性があるとの見方を示している。

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もっとも、それで終わりにはならないだろう。シャヘドも急速に進化しており、ロシア側が対抗措置を講じるのは間違いない。すでにロシア軍の偵察ドローンは、ジャミング装置や、迎撃ドローンを探知すると回避機動を行うシステムを搭載するようになっている。シャヘドはより大型なので、追加装備できる防御システムの選択肢も多くなる。そうした装備として、ネット発射装置や、第二次世界大戦期の爆撃機に搭載されていたような銃塔の小型版なども提案されている。

ドローン戦が引き続き繰り広げられるなか、今後も双方で技術や戦術の急速な発展が続くことになりそうだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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