エストニアに拠点を置く防衛スタートアップ支援組織、ダークスター(DarkStar)によると、これまでにシャヘドを撃墜した迎撃ドローンは少なくとも5種類あるらしい。わたしたちにもいくつか心当たりがある。
ワイルド・ホーネッツの広報担当者は、シャヘドを撃墜するために設計され、最高速度が時速320kmを超える迎撃ドローン「スティング(Sting)」について教えてくれた。この種のドローンの製造コストは1機わずか数千ドルと、シャヘドの10分の1程度だ。
「ワイルド・ホーネッツは現在、スティングの量産を進めています。また、わたしたちのどのドローンでもやっているように、ウクライナ軍と協力して配備や訓練、継続的なフィードバックに基づくさらなる改良に取り組んでいきます」(同広報担当者)
ワイルド・ホーネッツは、スティングの運用部隊はすでにシャヘドの迎撃に投入されていると明かしたが、その戦果については話せないということだった。「何を撃墜したのかについては言うのを禁じられています」(同)
ほかに考えられる候補には、ドイツ供与の「タイタン(TYTAN)」もある。昨年12月に公開されたタイタンも専用のシャヘド・キラーで、最高速度は時速300kmに達するといい、ウクライナで実施された試験でも成功したと報じられている。
米国のドローンメーカー、フォーテム・テクノロジー(Fortem Technologies)は2022年以降、ネットを発射するタイプの迎撃ドローン「ドローンハンター(DroneHunter)」をウクライナにひっそりと供給してきた。フォーテムのジョン・グルーエン最高経営責任者(CEO)は昨年12月、軍事メディアのオーバート・ディフェンスに、ドローンハンターはさまざまな大きさの多くのドローンに加え、シャヘドに対して成功を収めていると明らかにした。同年末までに400機を納入する予定だとも語っている。
いずれの迎撃ドローンもこれまでのところ、ウクライナで実戦使用されていることを示す映像証拠はない。この秘匿は完全に意図的なものとみられる。


