スポーツは「もっと楽しみたい」「もっと見たい」といった欲望を呼び起こす
では、日本はどうだろうか?
甲子園(全国高等学校野球選手権大会)を例に取ってみよう。開催時期、場所、時間に関する議論は、夏の風物詩のように表層的な議論にとどまり、本質的な価値創造に踏み込めていないだろう。2018年の「金農旋風」は全国を沸かせたが、その熱狂が地域や学校に経済的な恩恵をもたらすことはほぼなかった。2023年の慶應義塾高等学校の指導方法への称賛はあったが、業界全体を動かす力には至っていないように思える。
2025年から日本プロ野球界のスターである佐々木朗希が大リーグに挑戦しているが、その背景には、彼自身の能力が適切に評価され、報酬として還元される環境を求めているという動機もあるのではないかと考えられている。また、佐々木投手の挑戦に対して、日本は日本では未だに「流出」という言葉でしか語られない。この考え方こそが、スポーツを経済的価値として捉える視点を欠いたまま、停滞を招いているのではないだろうか。
難しいからこそ、挑む価値がある。
スポーツで生まれる興奮や感動は、その場に集う人々の心を動かす。テクノロジーは時に無機質なものとして語られがちだが、スポーツと結びつくとき、生身の体験として地域や社会に浸透する「土壌」を生み出す。そして、その結びつきの根底には「人々に新たな価値を届けたい」という情熱がある。もっと簡単に表現すれば言い表せば、「もっと楽しみたい」「もっと見たい」といった欲望をスポーツは呼び起こすことができる。
日本においても、その情熱こそが、イノベーションを牽引する原動力だ。我々は、そんな情熱をもった人々に、テクノロジーの進化による選択肢を提供できる存在として、日本企業・日本のイノベーターとともに、この波に乗り遅れることなく、スポーツとテクノロジーの融合から生まれる未来図を一緒に描いていきたい。
スクラムスタジオでは、北海道・Fビレッジを舞台に、世界中のスタートアップの社会実装を加速するアクセラレーションプログラム「Hokkaido F Village X(HFX) 」を運営している。スポーツ・エンタメ・スタジアムも募集カテゴリの1つだ。日本企業と世界のイノベーターとともに、北海道をより豊かな場所にしていく。
連載:SCRUM FOR THE FUTURE
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