ファッション

2025.04.21 16:15

未来を創る女性たちへ - カルティエがライフロングで応援するCWIのすべて

『広さ』と『深さ』

過去に審査員を務めた田淵氏は応募時に大切になる『広さ』と『深さ』について語った。
田淵:「『審査基準』についてご紹介します。CWIの評価軸は、大きく分けて以下の2つです:広さ(Breadth)と深さ(Depth)。この2つの視点が、とても重要です。

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『広さ』というのは、事業の恩恵を受ける受益者の数や影響範囲の広さのことです。例えば、どれだけ多くの人にサービスが届くのか、対象地域がどれくらいのスケールなのか、といった視点です。一方で『深さ』とは、受益者一人ひとりに対してどれだけ本質的な影響を与えているか、という観点です。単にサービスを届けるだけではなく、受けた人の意識や行動がどう変化するのか、その変化がどう次の行動につながるのかといった『インパクトの質』が問われます。

この考え方には『セオリー・オブ・チェンジ』や『ロジックモデル』といった社会的インパクト評価のフレームワークが背景にあります。要するに、自分の事業がどんな変化を起こしているか、その変化がどのような波及効果をもたらしているのかをきちんと説明できることが求められます。応募時には、このロジックをしっかり整理し、書類やプレゼンで表現できることが大切になります。

参考までに、私が印象に残っている過去の応募者である中国の学生起業家のお話をします。彼女は耳の不自由な方のために、ジェスチャーを読み取って言葉に変換するリストバンド型のデバイスを開発していたんです。最初のピッチでは、あまり伝わらず評価も低かったのですが、審査員同士で彼女が意図することを改めてディスカッションし、後にその意義が評価されました。

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ここで大事なのは、英語が完璧じゃなくても、しっかりと事業の価値を持っていれば、審査員は英語よりもインパクトを重視するということ。そしてこのプログラムは、本当に多様な分野の起業家を受け入れています。教育系や環境エネルギー系、地域課題に取り組む方など、幅広い領域が対象となります。

このような『ゼブラ的起業家』──、つまり、ユニコーンのように急成長を目指すのではなく、社会に根ざしながら着実にインパクトを出していくスタイルの起業家も、しっかり評価されるのがこのCWIの素晴らしい点です。」

特筆すべきは、プログラム参加後もカルティエがネットワークを維持・支援し続ける「ライフタイム」アプローチである。田淵氏は次のようなエピソードを紹介している。

田淵:「ちなみに、2006年にCWIに選ばれた起業家の方と、私はドバイでお会いする機会がありました。その方は、20年近く経った今でも毎年パリで行われるカルティエのネットワークイベントに参加しており、『CWIの支援とつながりがずっと自分の支えになっている』と話していました。その姿からは、CWIが単なる一時的な賞ではなく、長期にわたって起業家の成長と挑戦を支え続ける場であることが伝わってきました」

田淵氏は「CWIが求めているのは巨額の投資からの出資を獲得している完璧な起業家ではありません。社会課題に対して真摯に取り組み、自らの想いをもって挑戦を続ける意思ある人です」と語った。事業の規模が小さい、英語が不安、準備が万全ではない──そうした理由で応募をためらっている方にこそ、ぜひ一歩を踏み出してほしいと呼びかけた。

CWIは、そうした“はじまりの意志”を大切にし、世界中の仲間とともに成長を続けるための支援を用意している。たった一度の応募が、人生を変える出会いや可能性につながるかもしれない。次の挑戦者が、あなたかもしれない。

文=西村真里子

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