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2025.04.20 10:00

ベビーブーマー世代は「ゼロで死ぬ」という哲学を実践、子どもへの遺産は減少 米国

Shutterstock.com

Transamerica Center for Retirement Studiesが公表した最近の調査では、Z世代、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーマー世代の退職の見通しを比較した結果、働く人の41%が「将来の退職世代は、現役の退職者よりも厳しい状況に置かれる」と考えていることが明らかになった。

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同調査によれば、現役で働くベビーブーマー世代の70%が社会保障に頼る意向だが、貯蓄額の中央値は19万4千ドル(約2760万円)にすぎず、年4万8885ドル(約696万円)の支出を想定した30年間の退職生活に必要とされる122万ドル(約1億7400万円)には遠く及ばないという。

最近の株式市場の急落や混乱もまた、この世代の意思決定に拍車をかけている。大規模な投資ポートフォリオを保有する人は、急に財政的に保守的になり、自分の資産を守ろうと考えるかもしれない。ファイナンスの教授であるピーター・リッキウティは、株式に大きく投資しているベビーブーマー世代が「壊滅的」な損失を被る可能性があると警告している。

しかし、もしベビーブーマー世代が心変わりし、子どもたちに富を残す道を選んだ場合には、莫大な規模の資産移転が起こる可能性もある。Cerulli Associates)による推計では、2045年までに84兆4000億ドル(約1京2100億円)の資産が移転し、そのうち72兆6000億ドル(約1京400兆円)が主にX世代やミレニアル世代の相続人に渡るとされている。

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ベビーブーマー世代の富

ベビーブーマー世代は、米国の富の大半を保有している。連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、2025年第1四半期の時点でこの世代の純資産総額は約78兆5000億ドル(約1京1200兆円)に上り、米国の家計資産全体の約52%を占める。ここには、企業株や投資信託で23兆ドル(約3270兆円)、不動産で18兆9000億ドル(約2690兆円)、さらに年金や非公開企業、その他の資産が含まれる。第二次世界大戦後の力強い経済成長や、40年にわたる株式・住宅市場の上昇、低金利が背景となり、彼らの富は何十年にもわたって増えてきた。

上述のようにベビーブーマー世帯は、米国において国全体の富の半分を握っている。Empower Personal Dashboardの2023年8月時点のデータでは、この世代の平均純資産は165万2385ドル(約2億3500万円)だ。しかし、すべてのベビーブーマー世代が潤っているわけではない。退職後の貯蓄の中央値は19万4千ドルにとどまり、26%の人は5万ドル(約712万円)未満しか持っていない。この先、医療費や長寿化、市場の変動が、こうした老後の蓄えを大きく削ってしまう恐れがある。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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