SMALL GIANTS

2025.05.22 17:15

「お客さまのわがまま」をそのまま商品に 1480通りのカスタマイズ受注

「選ぶ側」から「選ばれる側」に

──ターゲットの転換について教えてください。

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他社はオリジナル商品を作る際、最低ロット数が1000個や2000個の場合がほとんどでした。しかし、私たちは1個からでもオリジナル商品を受注できる体制を整えました。

この取り組みが顧客にとって非常に魅力的だったようで、最初に日本テレビのテレビショッピングでの販売が決まり、約1万個の受注をいただきました。その後も、日本ハムとの仕事が決まり、3000個の受注につながりました。

──販路開拓が成功した要因は?

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選ばれる側になったことが大きかったです。オリジナル商品を作れる体制により、適正価格で適正利益を確保しながら販売できるようになりました。また、インスタグラマーやYouTuberとのコラボ商品も手がけ、認知度が上がりました。

特に、ダブルネームでのコラボレーションで、「藤田金属」というブランドを築くことができました。SNSを活用したマーケティングも効果的で、若い世代の顧客層が増えました。

──今後の展望についてお聞かせください。

これからも、自社の強みであるカスタマイズ性を活かし、他にはない製品を作り続けていきたいです。また、デジタルマーケティングにも力を入れ、さらに多くの顧客に藤田金属の価値を伝えていきたいと思っています。

特に、ブランド力を強化し、「藤田金属の商品だから買いたい」と思ってもらえるような信頼性のある企業を目指しています。

はじめて出会えた信頼できるデザイナー

──「フライパンジュウ」の開発について教えてください。

これまでの藤田金属の製品は、基本的に既存のアイデアをベースにし、売り方を工夫するという形が主流でした。しかし、「フライパン物語」などを手がけていく中で、「デザイン性をもっと取り入れた商品を作りたい」という思いが生まれました。

特に、見た目の美しさと機能性を兼ね備えた商品にすることで、より広いターゲット層にアプローチできると考えたのです。

──デザイナーを起用したきっかけは?

実は、当初はデザイナーに対して少し不信感がありました。というのも、多くのデザイナーは「自分が作りたいものを作る」というスタンスで、商品が市場でどう受け入れられるかにまで責任を持たないことが多かったからです。

しかし、今回一緒に仕事をしたデザイナーは違いました。商品の販促活動にも積極的に関わってくれる方で、「この人なら信頼できる」と感じました。

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