利益の減少はダイヤの減産と一致している。2023年に3180万カラットだった生産量は昨年2470万カラットに落ち込んだ。
そして今、世界最大のダイヤ市場である米国の関税だ。米国はこのほどすべての輸入品に一律10%の関税を課し、さらなる関税をかける可能性もある。英紙フィナンシャル・タイムズは、年間820億ドル(約11兆7000億円)にのぼる世界のダイヤ取引が「暗礁に乗り上げている」と警告している。
関税のルールや税率について不透明な部分があるため、ベルギーのアントワープやアラブ首長国連邦のドバイといった主要なダイヤ加工地からのダイヤ出荷量は通常の15%以下だと報じられている。
ナミビアのトラストコ・グループ傘下であるトラストコ・リソーシズのリチャード・チェトウォード会長は、ダイヤ産業の状況は芳しくないとフィナンシャル・タイムズに語った。関税をかけたところで、ダイヤ関連の企業が米国に進出することはないとチェトウォードはみている。
米国の関税がダイヤにおよぼす影響は、多くの労働者を雇用し、税収源でもあるダイヤの採掘に依存しているボツワナにとって深刻な問題だ。
アングロ・アメリカンは、世界最大の鉱業会社である豪BHPグループからの4900万ドル(約69億8000万円)での買収提案に対する防衛策の一環として、デビアス株の85%を売却しようとしている。
米国に出荷されるダイヤへの関税が現状のままである場合、デビアスは多くのダイヤを産出しているボツワナのジュワネング鉱山を延命させるために10億ドル(約1420億円)の投資を進めるべきか、市場が低迷する中でデビアス株の売却を推し進めるべきかどうかなど、多くの厳しい決断を迫られることになる。


