あなたの憶測/推量/よく議論された論文から、現実の道筋が乖離すればするほど、市場は、あなたが振り出しに戻る必要があるかどうかを教えてくれる。チャートとは道具であり、神のお告げになることはめったにない。
筆者の目には、現在のチャートが示すものは、さらに高いレベルまで行く可能性を示しているように見える……。
やめておこう。憶測は単なる憶測に過ぎない。憶測しようとするのであれば、どうすればそうなるのかを説明しなければならない。説明としてはこうだ。ドルが下落すれば、ドルで見れば金の価格は上昇する。しかし、散髪で見ればそうならない。
国債が不調になれば、量的緩和で国債を買い支える可能性が高い。インフレの再加速が目前に迫っており、今後4年間でさらに5%以上のインフレが起これば、1オンスの金が簡単に5000ドルに達することもあるだろう。
筆者はいまのところ、金1オンスは4000ドル以上になると見ている。そして、最高値になったときに備え始めている。私は「早めにアウトする」タイプの投資家であり、午前3時に起きて、金価格がそこに近づいたかをチェックする。そういう人間だから、より上昇傾向が強いものに乗り換えるのではなく、ホールドするためには正当な理由が必要なのだ。しかし事態が悪化して、上昇傾向がさらに押し上がる時間は十分にある。
人は、1兆ドルの赤字を出した英国の前政権を責めるかもしれないが、60兆ドル規模に膨れ上がった株式市場の価値も、前政権のせいだと言えるだろう。いや、ちょっと待て。これは少し前の数字で……いまは50兆ドル以上と言うべきだった。
2007年の世界金融危機における銀行と市場の救済は、金にまったく害を与えなかった。全体として、極限状態にある経済を救済するために紙幣を印刷することは、さらなる金価格の上昇を招くということなのだ。
つまり、この先には「黄金の道」が続いている。しかし結局のところ、それは良いニュースではない。たくさんの悪いニュースが続いた末の結果なのだ。


