キャリア

2025.05.01 08:15

日系・外資ミドルキャリア層格差実態、「年収1000万円超」の外資系割合は?

Getty Images

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エンワールド・ジャパンは、外資系企業や日系グローバル企業を中心に人材採用支援を行う人材紹介会社である。同社は日系企業から外資系企業に転職する「外資越境転職」支援の一環として、外資系企業・日系企業の従業員を対象に「外資系・日系企業のお仕事事情」についてアンケートを実施した。

以下、名古屋商科大学経営大学院(MBA)植田統教授の解説、ならびに同アンケート調査の結果を同社HPからの転載で紹介する。


見極めよ。「ジョブ型」か「メンバーシップ型」か

この調査結果は、日系企業と外資系企業の違いをよく表している。一言で言えば、外資系企業は、給与は高く、昇給も大きく、やりがいがあり、休暇も取りやすいという結果である。それらの点で、外資系企業が日系企業より優位に立っている要因を私なりに考えてみると、外資系企業ではジョブ型で仕事をしているので、一人ひとりの権限と責任が明確で、自分のスペシャリストとしての成長を実感しやすく、それに見合う処遇がされているのだと思う。

これから、自分のキャリアを作っていこうという人、何かの分野のスペシャリストとして生きていきたいと思う人にとっては、自分のスペシャリストとしての成長を実感できること、他の会社からも求められるようなスキルを身に着けた人となることが最も重要である。

一方、多くの日系企業はメンバーシップ型雇用で、いわゆるジョブローテーションなどの配置転換によって、ジェネラリストとしてのキャリアが形成される。また、終身雇用を前提とした給与体系で、長期的に緩やかに昇給していく傾向がある。何かのスペシャリストではなくジェネラリストとしてキャリアを築きたい人、給与の短期的な伸び幅よりも安定性を重視する人は日系企業が向いているだろう。

もし今勤めている日系企業で成長が感じられず、自分の将来に不安を感じているのなら、そして、アウトプットが厳しく求められる外資系企業に挑戦しようという決意ができたなら、思い切って外資系への転職を考えてみるのもよいだろう。

国際経営コンサルタント、弁護士、名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授 植田統 氏

植田統◎1981年に東京大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ダートマス大学エイモスタックスクールにてMBA取得。その後世界4大経営コンサルティング会社のブーズ・アレン・ハミルトン(現・PWCストラテジー)を経て、世界有数のデータベース会社レクシスネクシス・ジャパン代表取締役社長。そのかたわら大学ロースクールに通い司法試験合格。2008年からは、世界NO.1の企業再生コンサルティング会社のアリックスパートナーズでライブドア、JALの再生を担当。2014年に独立し、青山東京法律事務所を開設。現在は、社会人大学院である名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授として企業再生論、経営戦略論を学生に講義し、数社の社外取締役、監査役を務めている。著書に『日米ビジネス30年史』(光文社)『2040年「仕事とキャリア」年表』(三笠書房)などがある。

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