論文の共著者で、ベルン大学宇宙居住性センター(CSH)の共同ディレクターを務めるヤン・アリベール博士は「このレベルの複雑さと予測深度を併せ持ち、われわれが行ったような予測研究を可能にするモデルは、世界でも数少ない」と指摘。「生命を育むのに適した条件の惑星を探査し、ひいては宇宙に生命を探すうえで、これは重要な一歩だ」と語った。
この新しい予測モデルによって地球型惑星が存在する可能性のある恒星系をふるいにかける時間が短縮されれば、天文学者が望遠鏡を向ける対象を最も有望な星系のみに絞れるため、地球外生命を発見できる確率が高まると期待される。
AIの訓練に「ベルン・モデル」を採用
機械学習モデルは、データを用いた訓練を通じて一定のパターンを認識することで予測を行えるようになる。新しい予測モデルは、地球型惑星が存在する惑星系を認識・分類するために開発された独自の新しいアルゴリズムに基づいている。
このアルゴリズムは地球型惑星の有無と恒星系の特性との相関関係を割り出す研究を基礎としており、惑星の形成・進化を予測する数理モデル「ベルン・モデル」のデータを使って訓練とテストが行われた。「ベルン・モデルは、惑星がどのように形成され、どのように進化してきたか、そして原始惑星系円盤における特定条件下でどのタイプの惑星が形成されたかについて述べるのに用いることができる」とアリベール博士は説明している。
今年3月、地球から2番目に近い恒星系であるバーナード星系で行われていた惑星探査で、合わせて4つの惑星が見つかったことが発表された。バーナード星はへびつかい座の方向にある赤色矮星で、太陽系からわずか6光年の距離にある。この星系には地球の質量の20~30%程度しかない惑星が4つあり、数日間という短い周期で公転していることが確認された。ただし、いずれも公転軌道はハビタブルゾーンよりも内側に位置しているため、生命を育むには高温すぎる可能性が高い。


