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2025.04.22 10:30

第2次トランプ政権の影響で「気候テック」スタートアップに吹く逆風と追い風

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4. 二酸化炭素を価値ある工業用化合物へと転換するCO2L Techの技術

CO2L Tech
CO2L Tech

CO2L Techは、2022年にカナダで設立されたアーリーステージのディープテック系スタートアップで、二酸化炭素を価値ある工業用化合物へと転換することにより気候変動の緩和に取り組んでいる。CO2L Techのコア技術は二酸化炭素の電気化学還元にあり、二酸化炭素と水を電圧を印加した電解槽に供給することで、触媒の種類に応じて蟻酸、エチレン、シンガスなどの製品を生成する。

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これまで、二酸化炭素の電気化学還元は、効率の低さ、電解槽内の安定性の問題、二酸化炭素の高純度である必要性、および化学選択性など多くの課題に直面していた。しかし、CO2L Techはコストパフォーマンスに優れ、かつ豊富な金属触媒を用いることで、これらの課題を克服し、蟻酸や各種フォルメート塩の生成に成功した。同社は、蟻酸がエチレンやシンガスに比べ、反応過電位やエネルギー価値(エネルギー単位あたりの市場価格)の面で有利であることから、まず蟻酸に注力する戦略を選んだ。蟻酸は現在、一酸化炭素とメタノールを原料とする高排出プロセスで生産されており、農業、繊維、皮革、製薬、農薬、化学品など、さまざまな産業で利用されている。

今後、CO2L Techは電気化学還元技術をさらに進化させ、エチレンや合成ガスの製造にも対応することで、蟻酸をはるかに上回る大規模市場への参入を目指している。

トランプ政権下での逆風も一部あるものの、気候テックをはじめとしたディープテック分野は今後必要不可欠な領域として引き続き盛り上がりを見せている。

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弊社スクラムベンチャーズも、東急不動産が運営するディープテック・スタートアップ支援拠点である SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)を舞台に新たなアクセラレータープログラム「Sakura Deeptech Accelerator」をスタートした。グローバルな展開を見込む国内外のディープテック・スタートアップを募集している。

連載:SCRUM FOR THE FUTURE
 ─ 次にくるスタートアップ&トレンド
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文=マイケル松村 編集=安井克至

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