他方で、トランプ大統領の関税政策に対する国民の反応は悪いものばかりではなかった。CBSテレビとユーガブの世論調査では、参加者の51%がトランプ大統領の関税政策を支持すると回答。関税によって国内の製造業の雇用が回復し、他国との貿易赤字が軽減されると期待していた。一方、回答者の63%はトランプ大統領の政策を好ましく思っていなかった。ロイター通信とイプソスの調査では、回答者の76%が「貿易で米国を利用してきた」国のみを関税の対象とすべきだと答えた。
米国人の多くは、関税に関する基本的な理解が不足しているようだ。ロイター通信とイプソスの世論調査では、回答者の32%が関税は「商品を輸出する国が支払う税金」だと誤解していた。実際は、関税とは輸入業者が自国政府に支払う税金だ。
米調査会社ギャラップによると、トランプ大統領が4月2日に追加関税を発表して以降、米国では4回以上世論調査が実施されたが、大統領の支持率は軒並み低下している。とはいえ、同大統領の今期の平均支持率は45%で、1期目の41%よりは依然として高い。
米ハーバード大学と米調査会社ハリスポールが4月9~10日にかけて実施した世論調査では、トランプ大統領の仕事ぶりを支持した回答者は48%に上り、不支持の46%を上回った。他方で、同大統領の支持率は、両者が2月に実施した世論調査以来7ポイント低下した。
トランプ大統領は4月2日、貿易相手国に対し、主に対米貿易黒字に基づいた関税率を適用し、対米貿易赤字国に対しては一律10%の関税を課すと発表。この日を米国の「解放記念日」とすると宣言した。株式市場や債券市場、為替市場では動揺が広がり、米政権の関税政策が自国経済の評判を揺るがすことにつながった。これを受け、トランプ大統領は新関税の発動からわずか13時間後、貿易相手国ごとに設定した関税の上乗せ分を90日間停止すると発表した。だが、同大統領はこの停止措置から中国を除外したため、米中の貿易戦争が勃発した。
米政府は中国に対する追加関税の税率は合計で145%になるとしている。先に発表された、鉄鋼、アルミニウム、自動車に対する25%の世界一律の関税は依然として有効で、さらに米国・メキシコ・カナダ貿易協定の対象外となる製品にも25%の関税率が適用される。


