オープンで、手頃な価格で、改造しやすいものであるべき
こうした中、オープンソースの人型ロボットは、自力で技術開発を行わない国や企業にとって極めて貴重なリソースになりえる。ソフトウェアの世界でLinux(リナックス)が示したように、ハードウェアでも同様の可能性が考えられるからだ。
ハギング・フェイスは次のように述べている。
「私たちは、ロボットはAIの次のインターフェースになり得ると考えていて、それはオープンで、手頃な価格で、改造しやすいものであるべきだと信じています。私たちのビジョンは、コミュニティの誰もが、自分のロボットコンパニオンを構築し、制御できる未来を実現することです。閉鎖的で高価なブラックボックスに頼るのではなく、誰もが自前でロボットを作れるようにしたいのです」。
これは特に、安全保障上リスクがある国からロボットを調達し、それにバックドアが仕込まれて監視装置になりえる状況(Unitree Roboticsの「Go-1」で指摘されたような例)を考慮すると重要な点だといえる。
MSNによれば、ハギング・フェイスの共同創業者でチーフサイエンティストであるトーマス・ウルフは、Reachy 2(あるいは将来的なReachy 5、Reachy 10)を完全にオープンソース化し、誰でもロボットの設計図をダウンロードして3Dプリントできるようにしたいという意向を示している。これによって、ある程度の技術的知識を持つ愛好家であれば、ほぼ誰でも人型ロボットを手に入れることができるようになるだろう。
買収の条件は明らかにされていないが、ポレン・ロボティクスの従業員約20名は全員ハギング・フェイスに合流する見込みであり、共同創業者のマチュー・ラペールとピエール・ルアネも留まるという。


