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2025.04.15 11:30

Z世代の72%がAI認証に「不信感」、依然としてパスワードへの安心感高く

Getty Images

ミズラヒCTOは次のように分析している。「パスワードが依然として信頼されている理由は、実際の安全性より、むしろ慣れが大きい。人々は過去何十年もパスワードを使用し、仕組みを理解しているからだ。客観的にはAIのセキュリティーの方が優れているが、抽象的で複雑に感じられるのだろう。AIを活用した手法が主流になるまでは、本格的な導入にはためらいがあるかもしれない。しかしこれは『もし』の問題ではなく、『いつ』になるかの問題だ」

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生体認証にはプライバシーの問題が

AIを活用した認証の信頼性が取り沙汰される中、生体認証が初期導入者の間で支持を集めていることは興味深い。フロントエッグの調査によると、「最新技術に精通した」ユーザーの57%はすでに生体認証を利用している。だが、主流となるには至っておらず、依然としてプライバシーの問題が立ちはだかっている。

ミズラヒCTOは、こうした不信感の溝を埋めるために、企業はユーザーにオプトイン(訳注:個人情報の利用について、ユーザーから事前に同意を得なければならないこと)の選択肢を提供する必要があると説明する。そのほか、生体認証を利用することでアクセスが容易になったり、ロックアウトの頻度が減ったりするなど、何らかの利点があれば利用を促すことになるだろうとした上で、次のように述べた。「最も重要なことは、企業は個人情報がどのように保護されているかをユーザーに伝える必要があるということだ。ここで信頼を築くのは透明性だ」

AI認証に関する学習機会の重要性

ミズラヒCTOは「教育はパズルの大きなピースだ」と強調する。ほとんどのユーザーは、顔認証がどのように機能するのか、自分の生体データがどこに行くのかを知らない。同CTOは、信頼の問題に対処するには、ユーザーに技術やその仕組み、必要性を理解してもらう必要があると説明。さらに、短い動画などを通した簡単な説明は、ユーザーの懐疑心を軽減する上で大いに役立つだろうとの見方を示した。こうした学習機会は、業界がAI主導のセキュリティー対策へと移行していく中で、ますます重要になっていくだろう。

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Z世代はAIを信頼できるようになるのか?

AIを活用したセキュリティーに関しては、今のところZ世代が最も懐疑的だ。だが、AIの検証が進み、企業が透明性を高めるようになれば、Z世代が抱く疑念は解消していくものと思われる。これを踏まえ、セキュリティー企業はより優れたAIを開発するだけでなく、より優れた信頼を築いていく必要があるだろう。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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