そして今年、MSCIワールドは2月19日から4月8日までに17%近く下落した。年内に、弱気相場入りの基準である20%の下落ラインをやすやすと割り込む可能性がある。また、企業の利益予想は依然として高すぎる水準にあり、これは次の悪材料につながるかもしれない。2025年は、世界の資本の流れが大きく転換する新たな年になるだろうか。
パッシブ投資家は交替サイクルに乗り遅れる危険
世界があまり変化していないときには、パッシブ投資でうまくやっていける。しかし、パッシブ投資家にとって問題は、いまは世界が劇的に変化するめったにない時期だということだ。
年初来、米国を除く世界株のパフォーマンスは米国株を上回ってきた。今後もそれが続くと、パッシブ投資家はひどく不利な状態に置かれかねない。2025年ごろに退職する人向けに米資産運用大手バンガードが提供している投資信託「バンガード・ターゲット・リタイアメント2035ファンド」を例に考えてみよう。同社の配分モデルに従えば、組み入れ銘柄の構成は次のようなものになるかもしれない。
・米国株:50〜55%
・外国(米国以外)株:25〜30%
・米国債:10〜15%
・外国債:5〜7%
ポイントは、パッシブ型ポートフォリオは米国資産のウエイトが非常に高いという点だ。
パッシブ投資の方式は恐ろしく単純である。過去の最大の勝者(つまりは時価総額が最大クラスの銘柄)に、インデックス(指数)連動で機械的に投資するという戦略だ。米国の大企業には、時価総額が欧州の域内総生産(GDP)をしのぐところもある。米国株と米国を除く世界株の騰落率の開きはかなり大きくなっているので、後者がリーダー役のバトンを引き継いだ場合、指数連動のパッシブファンドが流れに追いつくにはかなり長い時間を要するだろう。
まとめよう。トランプの関税をテコにした強がりは支持基盤を熱狂させる一方で、世界の資本の流れを激変させるリスクがあり、投資家はそれを無視するわけにはいかない。変化に取り残されないよう、しっかり備えをしておくべきだ。
なお、筆者は職業上管理している顧客口座で、本記事で取り上げたシーメンスとイタウ・ウニバンコの株式を保有していることを開示しておく。


