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2025.04.15 09:00

トランプ関税で米国から逃げ出す資本 株式市場は主役交替か、米偏重投資にリスク

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バリュエーション(投資尺度)は投資家心理を表すものである。気難しい外国人投資家にとって、バリュエーションを理由に米国資産を売却するのは容易だろう。なぜなら、米国資産は相当に割高で取引されているからだ。たとえば、S&P500種株価指数の予想PER(株価収益率)は足元でもなお約20倍と、欧州のSTOXX600指数(13倍)やブラジルのボベスパ指数(7倍)を大幅に上回っている。

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個別銘柄を比較すると、根本的な違いが浮き彫りになることもある。

ドイツの産業機器・システム大手シーメンスは、潮流の変化で恩恵に浴せそうな企業の一社だ。シーメンスは、デジタル化やエネルギー転換を原動力に成長する市場で競争しており、その産業機器は安定したアフターマーケット(販売後)収益を生み出している。同社はS&P500に含まれる企業の多くよりも投資妙味があるし、成長見通しも上回っている。たとえば、シーメンスのPERが15倍なのに、なぜ19倍と割高の米ハネウェルを買うのか? 1株当たり利益(EPS)を見ても、シーメンスが今年18%の伸びが見込まれるのに対して、ハネウェルは7%増にとどまると予想されている。

米国からブラジルのような国に資金を移したい投資家もいるかもしれない。ブラジルは天然資源が豊富で、人口動態面でも追い風が吹く。ブラジルの銀行大手で優良銘柄のイタウ・ウニバンコは今年、11%の利益成長を見込む。JPモルガン・チェースなどの米銀行株を売って、より成長性の高いイタウのような銘柄を買うのはどうか。イタウのPBR(株価純資産倍率)は約1.6倍で、JPモルガン(2倍)より割安でもある。

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マクロレベルで株式市場のリーダー役が本格的に入れ替わるきっかけになるのは通常、魅力的なバリュエーションと、市場心理を反転させる根本的な要因との組み合わせである。そのあとにフロー(資金の流れ)がついてくる。

興味深いことに、世界の株式市場のリーダー役交替は弱気相場の間に起こる傾向にある。最近そうした交替が起こった重要な年である1990年、2002年、2008年には、米国とその他の先進国の株式で構成される「MSCIワールド・インデックス」がいずれも20%を超える下落を記録していた。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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