経済・社会

2025.04.15 14:15

大阪・関西万博のサステナビリティコード、レガシーは受け継がれていくだろうか?

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すなわち、調達方針に加え、理想形(アスピレーショナルスタンダード)の「推奨」コードを設定し、さらにMEL(マリン・エコラベル・ジャパン)、MSC、ASCの認証水産物を最大限調達し、絶滅危惧種を一切使用しないことを宣言したサプライヤーは、万博のサプライヤーとして名乗って良いことになるのだ。

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東京オリパラではアンブッシュマーケティングの制約により、持続可能な調達を実現しながら世に公表できなかった企業もあったが、今回のこの措置は素晴らしい。善が報われる仕組みをつくり上げたこの組織委員会のスピリットに大いに敬意を表したい。

2024年のオリンピックのパリ大会では、フードマイレージ(食品の輸送距離)に配慮するあまりに食品数が少なくなり、生産過程で出される二酸化炭素に配慮するあまりに選手の需要を満たすだけの肉類が提供されず、大きな問題となった。持続可能性と実現実効性の「最適バランス」も今後の課題だろう。

大阪・関西万博では、海に特化したパビリオン「ブルーオーシャンドーム」が建設されている。これは化学・日用品メーカーの「サラヤ」が提供し、認定NPO法人「ゼリジャパン」が運営している。

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海に特化したパビリオン「ブルーオーシャンドーム」
海に特化したパビリオン「ブルーオーシャンドーム」

私も開催最終週となる10月6日から12日までの1週間、このパビリオンでの催事を、持続可能な水産資源の活用のためのブルーシーフードガイド、女性と海洋、海の未来と次世代といったテーマでプロデュースし、ゼリジャパンと共催する。

その前週には、サステナブル・シーフードに関するコンサルティング会社である「シーフードレガシー」のプロデュースで、サステナブルシーフードをテーマに取り上げる予定だ。多くのパビリオンの訪問者に加え、大画面のモニタースクリーンで世界各地とも繋いでいく予定だ。

幕開けとなった大阪・関西万博。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。サステナブルな未来につながるイベントになるよう願っている。

文=井植 美奈子

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