Twitterの現在の市場価値は約180億ドル(約2兆2000億円)。公開当初の318億ドルの約6割以下に下落したことになる。同様なトレンドはアリババについても言える。同社の株価も8月20日にIPO後では最低の価格まで下落した。
Twitterの株価は2013年11月7日の上場初日から73%の急上昇を遂げた。投資家が熱狂する中で、ユーザ数の増加も相まって株価はあがり、同社の市場価値もうなぎ上りだった。株価は同年の12月26日に最高値74.33ドルを記録したが、その後膨らんだ風船から空気が抜けていくような展開となった。
投資家らが期待したほどユーザ数の伸びは売上にはつながらなかった。収益化への道のりは険しく2014年中盤には盛り返しを見せたが、株価は今年4月から手酷い墜落に直面し、今年の7月初旬にディック・コストロに代わり、ジャック・ドーシーが暫定CEOに就任以来、悪くなる一方だ。
アリババの場合、昨年9月の上場初日に株価は大きく弾け(公開価格が68ドルに対し初値は92.70ドルで35%の上昇を得た)、数週間後の11月13日には最高値の120ドルを記録した。アリババの株価はその後ゆっくりと下落を続け、中国の経済成長の衰えを背景に、直近の四半期報告では過去3年で最も低い売上成長を記録した直後に大幅に下落した。
Twtterとアリババの2社の株価の動きは、決して特殊な事例では無いことは覚えておくべきだ。Facebookは2012年5月のデビュー時に何とか公開価格を上回る価格で取引を終えたが、スタートに失敗したこともあり、数ヶ月で同社の株価は半額まで落ちた。現在の市場では、これらの株のIPO時点の価格よりも、ずっと安い価格で新規公開株を手に入れるチャンスがあるのだ。
市場情報企業のIperoのデータによれば、2013年の始めから今年8月の始めまで、最も強気な相場環境にありながら、米国でIPOを果たした358企業中235社がその後の取引において、公開時以下の株価を記録している。
もちろん、うまく行かなかった例ばかりではない。GoProや Shake Shack、Fitbit 、タブローソフトウェアといった企業らは今もなお、公開時点を上回る株価をつけている。グーグルなどは一貫して上昇を続けており、しばしばIPO時点に買い逃したことを悔やむ事例として挙げられている。しかし、これは本当に稀なケースであることを覚えておくべきだ。
グーグルであっても市場環境に応じて下落した時期もあり、後の高値に比べればずいぶん割安な値段で取引されていた事もある。
Twtterとアリババの株価下落から得られる教訓は、これらの企業が具体的な収益報告が出す前に、期待値だけで株価の上昇を遂げていたという事実だ。両社に金を注いだ投資家らはしばらくの間、忍耐強く推移を見守ることを求められるだろう。