「これらのドライブはレノンのアーカイブから見つかった。ポータパックという初期の録画形式で撮影された白黒のホームビデオ映像が数時間分あった。国際フェミニスト会議の映像もあった。ジョンとヨーコがアパートで歌ったりリハーサルをしたりしている映像や、ヨーコがニューヨーク州中部で開いた個展の結局完成に至らなかったドキュメンタリー用未編集フィルムもあった。ジョンとヨーコの人生の中でこのような映像が撮れたのはこの時期だけだったので、私たちは運がよかった。2人がこれほどカメラの介在を許し、撮られることを望んだ時期は他になかった」
「編集途中で、レノン一家と仕事をしていて全アーカイブを管理しているサイモン・ヒルトンから電話があった。『オーディオ録音1972と書かれた箱の中にテープを見つけた。聴いてみるかい? 何が録音されているのかは見当もつかないが』というんだ。それは電話の録音だった。まさに宝の山だ。ジョンとヨーコの、フィルターを通さない親密な声を、おそらくほとんどの人が聞いたことのない形で聞かせてくれた」
マクドナルド監督は当初から、観客にも同じように「とびきりの断片のすべて」を何のフィルターも通さずに体験してほしいと考えていた。
しかし、それは必ずしも容易なことではなかった。
「ヨーコの娘との関係や娘が誘拐されたこと、それが2人に、特にヨーコにどんな影響を及ぼしたのかを深く理解できた気がする」とマクドナルド監督は最後に語った。「傷ついた子どもたちと彼ら自身の困難な子ども時代というテーマが、このドキュメンタリーを貫いている。ニューヨーク州のウィローブルックという公共施設で虐待されている子どもたちをテレビで見て彼らが何を思ったのか。それが、あのコンサートをやるそもそものきっかけになった。観客には、これまでにないほどジョンとヨーコに感情移入してほしかったんだ」


