Z世代が直面する課題
Z世代には、返済すべき学生ローンや、高騰する住居費、停滞する賃金など、経済的なプレッシャーが大きくのしかかっている。デロイトの2024年調査では、Z世代の40%が、常にまたはほとんどの時間、ストレスを感じており、そのうち36%が、仕事が主な原因だと回答している。また、自分の精神状態を「良い」または「非常に良い」と評価したZ世代は51%にとどまる。ミレニアル世代は62%だった。
Z世代の高い期待は、裏目に出る可能性もある。現実が理想に及ばない場合、幻滅が生まれる。ギャラップの2024年データによれば、職場におけるZ世代のエンゲージメントは35%で、ミレニアル世代(42%)やX世代(48%)を下回っている。この結果は、仕事に柔軟性がないことや、自分の目的意識に合わないことへの不満を反映している。デロイトの2023年調査では、Z世代の25%が「次の仕事が決まっていなくても退職する」と回答している。
リモートワークと柔軟性
Z世代は、ハイブリッドワークやリモートワークを圧倒的に好む。LinkedIn(リンクトイン)の2022年調査では、Z世代の72%が、働き方に柔軟性がない仕事を辞めた、または辞めることを検討していると回答しており、ミレニアル世代(69%)とX世代(53%)を大きく上回っている。
また、デロイトの2024年データによれば、Z世代の63%はハイブリッドな働き方を好み、働く場所や時間をコントロールできることを重視している。これは、単なる利便性の問題ではなく、経済的・精神的な負担が増すなかでバランスをとるための生命線だ。
キャリアアップか、流れに身を任せるか?
Z世代は、出世だけを望んでいるわけではない。Z世代は肩書よりも、成長や新しいスキルの習得、影響力を持つこと、柔軟な働き方を求めている。デロイトの2024年調査では、昇進を優先しているZ世代はわずか38%だった。ミレニアル世代は52%だ。
ただしこれは、Z世代に野心がないということではない。例えば、Ripplematch(リップルマッチ)の2024年調査によれば、Z世代の70%が18カ月以内の昇進を期待している。
一方、Z世代は、起業家精神と伝統的な役割を融合させているようだ。Handshake(ハンドシェイク)の2023年調査によれば、Z世代の41%が昇進より自由を求めており、副業に価値を置いている。


