あちこちに姿を現し始めた「泥レンガの建物」
この発掘により、古代エジプトの鉱山技術や、東部砂漠に点在していた工業都市での労働者生活について、より深い理解が得られるようになった。また当時栄えた鉱山集落の社会、宗教、そして経済的見解が、多岐にわたる世紀を通してわかるようになった。
発掘チームを率いた考古学者ザヒ・ハワスは、当時の発見の瞬間についてこう語っている。
「わずか数週間で、チームの期待を遥かに超え、泥レンガの建物があちこちに姿を現し始めた。我々が掘り出したのは大規模な都市跡であり、壁や部屋がほぼ完全な状態で残され、当時の日常生活に使われていた道具がそのまま残っていた」
この貴重な発見を保存するため、政府は遺跡の修復・記録を進め、重要な建築物の一部を安全な場所に移設した。また、6エーカー(約2.4ヘクタール)におよぶ鉱山キャンプの実物大レプリカが建設され、そこには金の発掘作業を記録した大型スクリーン付きのビジターセンターが設置されている。展示には、発掘された像や陶器、遺物が並べられ、アテンの歴史や古代エジプトの金採掘産業の重要性を解説するパネルも用意されている。
「黄金の失われた都市」アテンが研究者や一般人に公開された今、エジプトの豊かな歴史に関する貴重な情報が相次いで明らかになっている。 今後の研究が進むことで、古代エジプトの鉱山技術、経済構造、そしてこの都市で働いていた人々の暮らしについて、さらなる知見が得られることが期待される。
(本稿は英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」の3月8日の記事から翻訳転載したものである)


