こうした強力な新機能をPixel 9aにも拡張することで、グーグルは高額なサブスクリプションプランであるGoogle One AIプレミアムを申し込むことなしに、低価格モデルでも最先端のAI機能をアピールできるようになる。
Google One AIプレミアムを1年間契約する場合の費用は、エントリー価格499ドル(日本では税込7万9900円)であるPixel 9aの約半額に相当する。またベースモデルであるPixel 9はすでにサブスクリプションなしで販売されていることから、9aに新機能を提供するなら既存のPixel 9にも同様の機能を付けざるを得ない。今回の無料アップグレードは、その問題をスマートに回避する方法だといえる。
一方、Pixel 8シリーズのユーザーの中には、比較的最近のスマートフォンを使っているにもかかわらず新機能を利用できないことに対して、不満を表す人もいる。この決定には、Pixel 9aのローンチを効果的にサポートしたいという意図が絡んでいる可能性が高い。
通常、Pixel Dropでは複数の新機能を広範囲に提供することが多いが、今回は単一の主要機能に集中し、それを最新シリーズだけに限定するという点で異例だ。しかし、その結果としてPixel 9aの発売はより魅力的になり、ユーザーのアップグレード意欲を高める効果が期待できる。一方で、Pixel 9 Proシリーズのユーザーにとっては、同梱されている12カ月のGemini Advancedサブスクリプションが終了した後に有料プランを継続する動機が1つ減るかもしれない。
さて、これらの無料Gemini Liveアップデートは、Pixel 9aへの乗り換えを決断させるほどの魅力になるだろうか。


