喜びにあふれた入社式のその後、新社会人たちの心は意外なほど揺れ動くようだ。一般社団法人徳志会が全国の社会人300名を対象に実施した調査で、約43%の新社会人が入社3カ月以内に心の不調を経験していることが明らかになった。
5月病ならぬ「5月不調」の実態
調査結果によれば、入社3カ月以内に心の不調を感じたタイミングでもっとも多かったのは5月で48%。4月の24%、6月の28%と比較して約半数を占める。いわゆる「5月病」がデータとして裏付けられた形だ。

心の不調の原因として最も多かったのは「慣れない仕事のストレス」で35%、次いで「上司などとの人間関係」が28%となっている。3位は「通勤」の20%で、新たな職場環境へ適応するための多面的なストレスが伺える。

適応障害のリスクは意外に高い
より深刻なのは、入社3カ月以内に14人に1人(約7%)が実際に適応障害やうつ病を経験しているという事実だ。新生活の変化によるストレスが、一部の新社会人にとっては病的なレベルにまで達していることを示している。

この7%という数字は決して看過できない値だろう。新入社員数十人規模の企業でも、数名が医学的な心の不調を発症する可能性があることを意味する。社会全体で見れば、毎年数万人の新社会人が深刻なメンタルヘルスの問題に直面している計算だ。



