4. 金銭について喧嘩せずに話し合う
恋愛関係において、金銭について初めて真剣に話すことほど感情的に緊張したり、静かに本質を明らかにするものはない。それは数字だけのことではなく、価値観や自他のコントロール、自立、安全に関わるものだ。
収入や負債、貯蓄、お金の使い方について話し合うと、以下のような深い部分が明らかになることが多い。
・金銭についてどのような考え方を持っているのか
・金銭面での成功あるいは失敗をどうとらえているか
・付き合うにあたってどの程度の自立や相互依存を想定しているか
こうした会話からは、2人の力関係や信頼の問題、相手の負担になることや見捨てられることに対して密かに抱く不安などが明らかになる可能性がある。
専門誌『ファミリー・リレーションズ』に2012年に掲載された研究では、セックスや子ども、義理の家族をめぐってのいさかいよりも、金銭に関する意見の相違が離婚につながることが判明した。研究では、金銭をめぐる言い争いは公平性の認識や全体的な満足度など、より大きな構造的な問題を反映していることが多いと指摘されている。
この節目は、カップルが今後どのように一緒に意思決定していくかを方向づけるため重要だ。相手に知られないところで意思決定するのか、それとも透明性を確保するのか。共同で計画するのか、それともそれぞれ計画するのか。すべてに関して同意する必要はないが、相手の金銭に関する考え方や、お互いのアプローチを尊重できるかどうかは知っておく必要がある。
5. 家事などの労働分担の話し合い
真剣な関係にあるカップルは、ある時点で目に見えない労働について話し合わなければならない。誰がどの家事をどのくらいの頻度でしているか、それが公平だと感じているか、などだ。
これは家事だけに限ったことではない。力関係や感情労働、尊敬の念が関わってくる。食料品を忘れずに買うのは誰か。親族に会いに行くのを計画するのは誰か。家族の誕生日を忘れないようにし、予定を管理し、家族の誰かがさんざんな一日を送ったことに気づくのは誰か。多くの場合、パートナーの一方、通常は女性がこうした表立って語られることのない精神的・感情的負担をより多く担うことになる。
専門誌『セックス・ロールズ』に2019年に掲載された研究によると、日常生活の細々としたことの大半、特に感情面での役割やスケジュール管理の大部分を担っている母親は、親密さを考慮してもパートナーへの満足度や全体的なウェルビーイングが低いと感じている。この不均衡は時間だけの問題ではなく、家庭内の感情的な負担を管理する際に母親が孤独を感じていることも示している。
この節目は、「愛だけでなく、人生も共有できるだろうか」という深い問いを投げかけているため重要だ。
上記の5つの節目は盛大に祝われないかもしれないが、感情的な成熟度や関係の深さ、関係が長く続くかどうかを示す静かな指標だ。
関係が長続きするかどうかは、記念日など他のカップルも迎える外的な節目に到達するかどうかではなく、内的な節目を迎えてもなお一緒に人生を歩めるかどうかで決まる。
