2. 自分の弱い部分を見せる
関係が成長する中で、筋書きが変わる瞬間がある。「非の打ちどころがない人」を装うことをやめ、自分の弱い部分を相手に明かし始める瞬間だ。告白するのは子どもの頃に経験した心の傷かもしれないし、これまで大っぴらにしたことのなかった恐怖かもしれない。あるいは誰にも話したことのない秘密や、夜眠れなくなるような不安かもしれない。
そうした自分の弱さをさらけ出す瞬間は必ずしもドラマチックなものではないが、深い感情を伴う、大きな価値のある節目だ。脆弱性は親密さの基盤だ。それは安全だと感じていることを意味し、「弱さをさらけ出すほどにあなたを信頼している」と相手に伝えるものだ。 これが「相互同調」の始まりであり、互いが分かち合い始め、言葉だけでなく感情的なものにも互いに向き合う。
専門誌『コングニティブ・アフェクティブ・アンド・ビヘイビオラル・ニューロサイエンス』に2018年に掲載された研究では、言葉など相手から何かしら反応が得られると確信している場合、脳の社会的情動に関するネットワークが活性化することが明らかになった。否定的な反応では、感情的な苦痛に関連する領域が活性化した。恋愛関係においては、相手に心を開き、批判されるのではなく温かく受け入れられた場合、その感情の共鳴と安心感は神経系に刻み込まれる。
だからこそ、この節目は祝うに値する。心の奥底にしまっていた真実が否定されるのではなく、優しく受け入れられると、相手に理解されたと感じるだけでなく安心感を得られる。そして、安心感こそが真の愛の始まりだ。
3. 相手の友人や家族に会う
パートナーの友人や家族に会うことは単なる社交ではなく、心理的な変化だ。お互いの人生を長期的に共有したいという願望の表れだ。
この節目では、相手が人間関係にどのように向き合っているのか、あなたよりも長く相手を知っている人々からどのように思われているのか、そして相手がどのような人たちと心を通わせているのかをうかがい知ることができる。また、相手の愛着スタイルや境界線、忠誠心、癒されていない家族関係について、言葉にされることのない手がかりも得られる。
専門誌『パーソナル・リレーションシップ』に掲載された研究では、パートナーと親しくしている人たちとの付き合いが、そうした人たちの意見や影響力を通じて、恋愛の行末を大きく左右することが分かった。調査対象者と交流のある人々の3分の2は、自分がその人(調査対象者)を肯定的にみているのか否定的にみているのかが、その人の恋愛関係の行方に影響を与えると考えていた。こうした影響力から、パートナーを友人や家族に紹介することは、意味のある感情的な指標だと言える。
だが、それ以上に愛情に満ちたインクルージョンも示している。相手があなたを自分の親しい仲間に引き入れるとき、その人は本質的に「あなたは私たちの仲間」と言っているのだ。その人間関係が健全なものであれば、このインクルージョンは安心感を深める。人間関係が緊張していたりこじれていたりする場合、注意が必要な力関係が明らかになる可能性がある。


