さらに、中国依存からの脱却を目指したハイテク大手が新たな製造拠点としたベトナムには、46%の関税が適用された。これはアップルにとっても大きな痛手となりそうだ。モルガン・スタンレーによれば、アップルの製造コストは、対中関税のみで85億ドル(約1兆2400億円)も跳ね上がり、来年の利益が約7%削られる可能性があるという。
データセンターのコストは10%増
トランプが「解放の日」と呼んだ2日の相互関税の発表で、株式市場は崩れ落ちた。アップル株は16%下落、エヌビディアとテスラもともに15%下落したことで、各社のCEOらの資産は数十億ドルも減少した。
「データセンターは、関税の影響を特に受けやすい」と、シンクタンクのケイトー研究所のテクノロジー政策フェローのマット・ミッテルシュタットは指摘した。なぜなら、その建設にはアルミニウムや変圧器などのコストの高騰が懸念される原材料や部品が用いられるからだ。
データセンターのコンサルタントであるダニエル・ゴールディングは、「これまで米国はデータセンター建設において世界でも有数の低コスト国だったが、新たな関税がその優位性を危険にさらし、収益性が低いことで知られるこの分野に不確実性をもたらしている」と指摘した。
「AIは現時点で莫大な利益を生み出しているわけではない。だからこそ、この分野の取り組みにブレーキがかかるのではないかという懸念がある」
データセンターのコストは「最大10%上昇する可能性がある」とゴールディングは見ているが、具体的な数字を出すためには時期尚早だという。また、最終的には消費者がその負担を背負うことになるかもしれない。「すべてのコストが上がれば、OpenAIや他の企業も値上げに動くだろう」とミッテルシュタットは語った。
さらに、「より大きな問題は不安定な政策環境にある」とゴールディングは指摘した。「問題は、関税そのものではなく、それがいつでも変更可能だという不確実性にある。これこそがプロジェクトの資金調達を完全に頓挫させる要因になりかねない」と彼は指摘した。


