モビリティ

2025.04.06 09:00

テスラ・サイバートラックは過去数十年で「最大の失敗作」

サイバートラック(Artur Widak/NurPhoto via Getty Images)

YouTubeでは「失笑」ネタに

そして価格の問題もあった。マスクは、航続距離が約400kmのベースモデルを3万9900ドル(約580万円)で提供すると約束していたが、実際の価格はその約2倍になった。

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現状で諸費用を含めたこのモデルの価格は、連邦税額控除の7500ドル(約110万円)を差し引く前で8万2235ドル(約1200万円)からとなっている(しかも、この控除はトランプが撤廃を公約している)。さらに最上位モデルの「サイバービースト」の価格は10万5735ドル(約1540万円)となっている。

2025年3月29日、“Tesla Takedown”デモをする人々(Photo by Brandon Bell/Getty Images)
2025年3月29日、「Tesla Takedown」を掲げてデモをする人々(Brandon Bell/Getty Images)

一方、ここ最近のテスラ車のリセールバリューの急落によって、中古のサイバートラックはかなり手頃な値段で手に入るとニュースサイトは伝えている。比較的新しい車両が7万ドル(約1020万円)以下で買える可能性があるが、その場合も反テスラの活動家に石をぶつけられるリスクを覚悟する必要がある。そして価格はさらに下落する可能性がある。テスラのファンサイトのElectrekは先日、テスラが抱えるサイバートラックの売れ残りの在庫が約2億ドル(約290億円)相当にのぼると報じていた。

結局のところマスクは世間の人々がピックアップトラックを買う理由を無視したことで、この車両を呪われたものにしてしまった。ピックアップトラックに求められるのは、大きな荷物を運べることや、オフロードを快適に走れることだが、この車両がそのどちらも満たしていないことは、YouTubeで人気を博す「Cybertruck fail(サイバートラックの失敗)」といった動画を見れば明らかだ。


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恥の上塗りとなっているのが「立ち往生したサイバートラックがフォードのF-150やシボレーのシルバラードにけん引されている様子を映した動画」という新たなジャンルの出現だ。

「フルサイズのピックアップトラックといえば、デトロイトのビッグ3が最も得意としてきたカテゴリだ」とマーサーはいう。「マスクは、最も参入が難しいセグメントのど真ん中にサイバートラックを投げ込んで、失敗に終わったのだ」と彼は指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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