北米

2025.04.03 12:30

パランティアがYコンビネータ支援の新興を提訴、「営業秘密」窃盗で

パランティアの共同創業者でCEOのアレックス・カープ(Photo by Andreas Rentz/Getty Images)

パランティアの共同創業者でCEOのアレックス・カープ(Photo by Andreas Rentz/Getty Images)

人工知能(AI)関連のスタートアップでここ数年、注目を集めるのが、アルゴリズムを用いて医療保険の請求プロセスを合理化する企業だが、この分野の混沌とした法廷闘争が始まろうとしている。

データ解析ソフト大手の米パランティア・テクノロジーズは、Yコンビネータが支援するスタートアップのGuardian AI(ガーディアンAI)とその創業者らが、同社の営業秘密を盗んだとしてニューヨークの連邦地裁に提訴した。

時価総額が1980億ドル(約29兆円)のパランティアは、Guardian AI創業者のマヤンク・ジェインとプラナヴ・ピライらが、2022年から2024年にかけてパランティアのヘルスケア部門に勤務していた際に、営業秘密を持ち出して会社を立ち上げたと訴えた。このスタートアップは、AIを用いて医療機関が保険請求の却下と戦うことを支援する企業としてYコンビネータの2024年夏のバッチに参加していた。

「ピライとジェインは、パランティアに在籍中に営業秘密を持ち出して、スタートアップのインキュベーターに応募し、金銭的利益を得ようとしていた」と、パランティアは訴状で述べている。3月初旬に提起されたこの訴訟については、業界メディアのLaw360が先に報じていた。

ジェインは、フォーブスからのコメント要請に「パランティアとは現在、和解に向けて取り組んでいる」と回答した。

保険金請求の審査を巡っては、昨年12月に発生したユナイテッドヘルスケアCEOの射殺事件の容疑者が、請求の却下に不満を募らせていたことが報じられ、全米に議論を巻き起こしていた。そんな中、AIを使って請求の却下に対抗する企業やツールに注目が集まっている。

コロラド州デンバーを拠点とするパランティアは、米軍や国防総省に防衛関連のソフトウェアを提供することで知られるが、ヘルスケア分野での存在感も増している。同社のヘルスケア部門の共同責任者を務めるジェレミー・デイヴィッドは、昨年2月に行ったフォーブスの取材で、「ヘルスケアは当社の商業部門の約15%を占めている」と語っていた。

パランティアのヘルスケア部門は、医療機関が正当な支払いを受けられるようにするためのソフトウェアを開発してきた。訴状によれば、同社のAIツールは保険請求の却下に対処し、事務作業の負担を軽減しているという。

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編集=上田裕資

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