欧州

2025.04.02 09:30

ロシア軍の指揮壕に滑空爆弾が直撃、高級将校ら死亡か ウクライナ南部

ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機。2020年7月7日、ウクライナ西部リビウ(Maksym Pasternak / Shutterstock)

しかしウクライナ軍の滑空爆弾は、精密な加速度計などによって位置を算出するバックアップの慣性航法システムの面でロシア軍の滑空爆弾よりも優れている。そのため、ジャミング(電波妨害)による命中精度の低下はウクライナ軍の爆弾よりもロシア軍の爆弾のほうが大きくなっているようだ。

ヘルソン州のロシア軍指揮所に対する爆撃に用いられたGBU-62は米国製だが、ウクライナ仕様のものになっている。ロシアが2022年2月にウクライナに対する全面戦争を始めた直後から、米国のジョー・バイデン前政権は、ウクライナ空軍のミグとスホーイに、安価ながら精密な滑空爆弾を搭載させる取り組みを急ピッチで進めた。それが、標準的な500ポンド(約230kg)の無誘導弾に、新型SDB(小直径爆弾)の翼と、非滑空のJDAM(統合直接攻撃弾)の誘導キットを組み合わせたGBU-62だった。

1発5万ドル(約750万円)程度のGBU-62はキラー兵器となり、ウクライナ軍のMiG-29部隊はこれを使用して、ロシア軍が1発300万ドル(約4億5000万円)以上とはるかに高価なイスカンデル弾道ミサイルで行っているのと同じようなことをできる。

全面戦争の開始直後、ロシア軍はウクライナ北東部ハルキウ市の地下壕に設けられた指揮所の排除を図った。その際にはまず、長く忘却されていた旧ソ連の文書にあたって位置を突き止め、そこにカリブル巡航ミサイルを撃ち込んで破壊した。

ウクライナ軍は今回、小型の偵察ドローン(無人機)、古い戦闘機1機、パーツを寄せ集めてこしらえた精密爆弾で同様の戦果をあげた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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