アート

2025.04.09 13:15

解釈拡大も越境のうち。10代と考えた「地球環境とクリエーションの共存」

武田:ちなみに、もしもこの3人で越境クリエーションを生むとしたら、何が生まれそうですか。

野田:短期的でなく長期的なもので、私たちが生きている間に完成させるよりも、次に繋いでいくイメージではないでしょうか。それこそ様々な分野の掛け合わせということであれば、都市とは言わないですけど、村みたいなものができたらいいですね。

武田:村を作りたいと。大きいですね。

野田:夢物語ですよ。ただ、十数年前に食と科学が融合した、ガストロノミーサイエンスという新しい食文化が生まれています。スペインのエル・ブジやムガリッツというレストランが有名ですが、料理人と連携しそれらを築いた科学者であるワン・カルロス氏に越境や共創をする上で一番大事なのものは何かと尋ねたことがあります。彼は、その問いに「互いの視点や思想を理解することだ」と答えました。

「別分野との掛け合わせは必ず摩擦が起きる。しかし、それでも妥協や否定をするのではなく、諦めずにひたすら互いのビジョンを伝え合い、理解する努力をする」と。そして、そこで何かが生まれたときこそが、ようやく始まりだと話していました。彼はBCC(世界屈指の食の大学院及び研究施設)で教鞭をとりながら、自身も科学者として今もなお、新たなイノベーションを生みだすべく取り組んでいます。

山縣:デザインも、これまで答えだったものが答えではなくなっている時代に突入しています。そんな時代においては、常に問いと学びを意識し続けることが重要で、私も自分たちが学べるような場を作れると嬉しいです。

クマ:確かに、訪れたら世界観が変わるような場所を作れたら面白いですね。訪れるためのハードルは高くなく、誰でもフラッと立ち寄れるような場所でありながら、価値観が変わってしまう。そんな場所は建築だけでは作れないので、食やファッションといった他の要素も組み込んで生み出したいですね。

文=小谷紘友 編集=鈴木奈央 写真=GAKU事務局

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