北米

2025.03.31 14:00

米共和党が「左翼の巣窟」と呼ぶ公共放送の支援停止をトランプが主張

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トランプがこれらメディアへの支援を打ち切るためには、共和党が多数派を握る議会の承認を得る必要がある。FOXニュースによると、これまでNPRとPBSを標的にした法案を何度も提出した共和党のロニー・ジャクソン下院議員は、27日に両局への政府資金の提供を中止する法案を再提出した。

マスクは「極左メディア」と批判

NPRとPBSが政府からの資金提供を「受け続けるべきだ」と考えている米国人の割合は、ピュー研究所の調査で43%だった。一方、24%は支援の打ち切りを支持しており、33%は「わからない」と答えていた。

トランプの側近で政府効率省(DOGE)を率いるイーロン・マスクは、NPRを「極端に偏っている」と非難し、PBSについては「極左だ」と述べて資金の打ち切りを求めている。

共和党は長年にわたり、公共メディアへの政府の支出削減や廃止を訴えてきた。ジョージ・W・ブッシュ前大統領も公共メディアの予算削減を提案したが、議会で否決された。トランプも1期目に公共メディアへの予算を打ち切ろうとしたが、その試みに失敗し、昨年の大統領選に向けたキャンペーンで報道機関への攻撃を再開していた。

ABCニュースは、トランプから起こされた名誉毀損訴訟で、昨年末に1500万ドル(約22億5000万円)を支払って和解した。一方、CBSニュースは、同局がドキュメンタリー番組「60ミニッツ」で、当時民主党の大統領候補だったカマラ・ハリスのインタビューを民主党に有利になるように編集したと主張するトランプからの200億ドル(約3兆円)の選挙妨害の訴訟に現在も対応中だ。

トランプはまた、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称するという自身の大統領令に従わなかったAP通信の記者を、ホワイトハウスの記者クラブから締め出している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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