イーロン・マスクが所有するX(旧ツイッター)の米国ユーザーの訪問件数は、昨年11月の米大統領選以降に減少した。その一方で、競合のBluesky(ブルースカイ)の訪問件数は同期間に増加したことが調査会社Similarwebのデータで示された。ただし、Xは依然として競合よりもはるかに高い人気を保っている。
Xの1日あたりのウェブ訪問数(月単位で集計)は、選挙期間中に一時的な急増が見られたものの、その後はほぼ横ばいとなり、現在は11月と比べて平均8.4%減少している。デイリーアクティブユーザー数(DAU)の平均も同期間に7.2%減少し、2500万人となっている。
一方、Blueskyは選挙後の好調を維持し、1日あたりのウェブ訪問数とアクティブユーザー数(月単位で集計)は、いずれも増加を記録した。訪問数は11月比で21.5%増、平均DAUは2.3%増の150万人となっている。Blueskyの現在のアクティブユーザー数は、11月初旬の選挙前の記録である約54万人から、およそ3倍に伸びている。
Xは、同期間にトラフィックを減少させたものの、それでも依然として人気の高いアプリと言える。Xの平均DAUである2500万人は、Blueskyの150万人を大きく上回っている。
Similarwebの最新データによると、Xの1日あたりの訪問数は、選挙当日の4650万回から34.2%減少し、3060万回となった。また、iOSおよびAndroidのXアプリのDAU、選挙当日から3月21日までに22.1%減少し、2430万人に落ち込んだ。
Blueskyの1日あたりの訪問数は、選挙の1週間後に急増し、11月15日に260万回でピークを記録した。その後12月に一時減少したが、3月21日には再び260万回まで回復し、選挙後のトラフィック増加を維持している。ただし、DAUはピーク以降に減少しており、11月15日から3月21日までに28.5%減少した。
一方、メタが運営するThreads(スレッズ)のDAUは、11月以降に14%増加して1360万人となっている。
大統領選は、複数のSNSプラットフォームにとってトラフィックの増加要因となった。中でもXはBlueskyよりも大きな恩恵を受けており、11月初旬に約3400万人だったDAUが、選挙当日には4650万人に達していた。この急増には、Xのオーナーであるマスクと彼の2億1900万人のフォロワーが貢献したと見られ、ワシントン・ポスト紙によると、選挙期間中にマスクが投稿した数千件のポストは合計で330億回以上閲覧されていた。
マスクをめぐる一連の騒動は、テスラに対する抗議行動を招いているが、Xに関してはそれほど大きな動揺は見られない。Xは、SNS分野で依然として支配的な地位を保っており、成長を続けるBlueskyのトラフィックもXと比べるとごくわずかなものだ。
Blueskyは元ツイッターCEOのジャック・ドーシーが共同設立したプラットフォームで、Xの代替的なものに位置付けられている。同プラットフォームの広報担当であるエミリー・リューは、選挙後のフォーブスの取材に対し、総ユーザー数が約1450万人に達したと述べていた。