市場関係者による先読みを視覚化したCMEのFedWatchツールによれば、次の利下げは6月に行われる可能性が高い。FOMC(連邦公開市場委員会)は1月と3月の会合で金利を据え置いた。彼らが利下げに踏み出さなかったのは、雇用市場が堅調に見える今、ディスインフレのさらなる進展を待つためである。しかし、経済の不確実性は高まっており、金融政策の先行きは不透明だ。
FOMCによる予測では、2025年に2回の利下げを示唆
FOMCは、経済の不確実性が高まっていると見ている。3月19日に更新されたFOMCの経済見通しでは、2025年には平均して2回の利下げが見込まれている。重要なのは、この回数自体は12月に公表された前回予想と変わらないものの、その利下げ幅の予想値は前回予想よりも小さくなっていることだ。インフレ率がさらに落ち着きを見せ、雇用市場が堅調に推移すれば、FOMCが利下げに踏み切る可能性もある。しかし、FOMCのメンバーは、2025年には関税引き上げがインフレを引き起こすと見ているようだ。
FRB議長のジェローム・パウエルは3月19日の記者会見で、「インフレ率を占ういくつかの短期的指標は、最近上昇している」とコメントした。「市場ベースと調査ベースの両方の指標でこの傾向が見られ、消費者と企業の両方の調査回答者は関税をその主な要因として挙げている。しかし、来年以降も、長期的なインフレ率に関するほとんどの指標は、インフレ目標である2%と一致している」
景気後退の懸念は調査データに基づいていくぶん高まっており、これが利下げを誘発する可能性もある。一方、そうした懸念はあるものの、報告されている経済データはおおむね良好である。予測サイトのKalshiによれば、2025年に景気が後退する可能性は36%とされている。
次回利下げのタイミング
パウエル議長は3月19日の記者会見で利下げが近いとは示唆しなかった。むしろ、彼は経済の不確実性を強調した。FOMCのメンバーはしばしば、次回会合での利下げを示唆し、市場関係者の期待値を調整することがある。そうした示唆がない現状、CMEのFedWatchツールによれば、5月会合での利下げの可能性はわずか16%となっている。