「盲信」には危険性も
マインドフルネスのアプリを販売したり、人々に瞑想クラスを教えたり、あるいは臨床でマインドフルネスを使用したりする際、その悪影響に関して言及しないことに倫理的な問題性はあるのだろうか。 これらの悪影響の多種性、そしていつも全員に同様に起こるのかという普遍性を考えた時に、その答えは「NO」だ。言及しないことに倫理的な問題があるとはいえないだろう。
だが、多くの瞑想やマインドフルネスの指導者は、これらの実践はプラスの効果しかないと盲信しており、悪影響の可能性について考えることが少ない事実には、目を向けるべきかもしれない。
瞑想の悪影響に悩まされた人々からしばしば聞かされるのは、指導者が、「悪影響を受けた」ことを信じてくれないという話だ。 たいていの場合、「瞑想を継続すれば治る」と言われてしまう。
また、瞑想を副作用なく実践する方法についての研究は最近始まったばかりで、実践者に伝えることができる明白なアドバイスは、残念ながらまだない。 瞑想は通常とは異なる意識の状態を扱うものであり、まず、こうした意識の状態を理解するのに役立つ心理学的理論がまだないことが大きな問題となっている。
しかし、悪影響について知るための資料はある。重い副作用を経験した実践者が作った ウェブサイトや、このトピックに特化したセクションを含む学術ハンドブックなどである。
アメリカでは、マインドフルネスの研究者が管理する、急性および長期的な症状を経験した人々専用の臨床サービスもある。
これらの事実を踏まえれば、マインドフルネス・瞑想を精神的健康や治療のツールとして使うのであれば、その副作用の可能性についても一般の人々に知らせる必要がある、という考え方もできるだろう。
※本稿はミゲル・ファリアス博士:コベントリー大学実験心理学准教授による『THE CONVERSATION』の記事を翻訳したものである


