調査ではそのほか、(デジタルペイメントの利用時に)チップの金額を選ぶ画面が表示されると、およそ10人中3人が「より少額になるように支払っている」こともわかった。
WalletHubのアナリストでライターでもあるチップ・ルポは、従来はサービス業のスタッフに支払っていたチップが、最近ではセルフレジでも要求されるようになっているとして、次のように述べている。
「サービスがよかったからではなく、社会的な圧力によってチップを払うことが多いとする米国人は、半数以上にのぼっています。負担を感じている消費者が多いことは明らかです」
また、「チップは米国的な概念」だとするキアナンは、消費者にチップの支払いを求める国は、「他にはほとんどない」と指摘。それは、「他の国々のサービス産業では、雇用主が従業員に(家族とともに適切な生活を維持するために必要な)生活賃金を支払っているからだ」と説明している。
チップ収入は課税対象
米国では連邦法に基づき、チップで得た収入には所得税のほか、給与税が課されている。
米連邦議会の議会調査局(CRS)は2024年10月、内国歳入庁(IRS)からの報告に基づき、(データの入手が可能な直近の年である)2018年の確定申告で提出された約600万件の源泉徴収票に記載されたチップ収入の総額は、およそ380億ドル(約5兆6700億円)、個人の年間のチップ収入の平均額は、6000ドル(約89万6000円)だったことを明らかにしている。
イェール大学予算研究所の推計によると、2023年にチップで収入を得る仕事に就いていた人は、およそ400万人だった。