『ハリー・ポッター』や『スター・ウォーズ』『ゲーム・オブ・スローンズ』に続く大作はどこから生まれるのだろうか。ユーザー生成コンテンツが存在感を増す中、その答えは伝統的な出版社や大手スタジオではない場所に潜んでいるかもしれない。
シカゴに本拠を置くクリエイター・プラットフォームのUnvale(アンヴェイル)は3月11日、プレシードラウンドで180万ドル(約2億7000万円)を調達したと発表した。同社は、次世代の作家やイラストレーター、ストーリーテラーを、従来とは異なる方法で世に送り出すことを目指している。
「信じられないほど多くの優秀な才能が発掘されるのを待っている。しかし、これらのクリエイターたちは、キャラクターを育て、ストーリーを構築できる場所を必要としている」と、2021年にUnvaleを共同創業したCEOのケーシー・ロウラーは述べている。
短編動画のクリエイターは、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームを利用して、新たなファンベースを構築しているが、作家やイラストレーターを含むストーリーテラーは、クリエイター・エコノミーの恩恵を受けられていないとロウラーは主張する。
Unvaleは、こうしたギャップを埋めようとしている。同社は、ユーザーが物語を1つずつ作り上げていくことができるプラットフォームを提供している。例えば、ユーザーは新しいキャラクターを視聴者と共有したり、物語の新しい章を公開できるほか、アートワークを公開したり、インタラクティブなコンテンツを提供することができる。どのようなコンテンツであれ、クリエイターは単一のプラットフォーム上で物語を構築し、視聴者にリーチすることができる。ここに参加するクリエイターは、従来のようにコンテンツを自費出版し、SNSを通じてファンを開拓したり、出版社やスタジオにアイデアを売り込む必要がない。
Unvaleは、急激にユーザー数を増やしている。クリエイターたちはこれまで200万ものコンテンツをこのプラットフォーム上で公開しており、トータルで32万人のフォロワーを獲得している。また、月間アクティブユーザー数は2万人に達している。
「Unvaleのクリエイターは、スタジオや出版業界全体よりも多くの長編メディアを出版することができる。我々のクリエイターたちは、ディズニーが過去100年間で発表したキャラクターの200倍ものコンテンツを既に生み出している。優秀で才能のあるクリエイターは広く認められ、成功をおさめるだろう」とロウラーは言う。