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2025.03.21 11:30

最も「強力でアクセス度の高い」パスポート、スペインとギリシャがトップに

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パスポートの「強さ」は一般的に、ビザ(査証)なしで渡航が可能な国の数によって評価される。世界で最も強力なパスポートのランキングは、国家間の移動の自由に直接影響する政治的・地政学的状況、経済発展、国際関係における重要な指標でもある。ウクライナでの戦争がロシアのパスポートに与えた影響はわかりやすい事例だ。

最新のランキングでは、シンガポールや日本とともに、欧州諸国のパスポートが上位を占めている。一方、「米国民が外国の居住権と市民権の申請者数で世界をリードしている」とUSAトゥデイが報じる中、米国のパスポートは順位を落としている。

強力なパスポートとゴールデンビザ

投資移住ソリューションを提供する国際企業アストンズの最新分析によると、「スペインとギリシャのパスポートは世界で最も強力でアクセス度が高く、英国、米国、ロシア、中国のパスポート所持者と比べてビザなし渡航が可能な国が多い」。スペインのパスポートは欧州最多となる177カ国・地域への入国に際してビザ免除が受けられ、うち133カ国はビザがまったく不要だ。

スペインのパスポートの人気の高さは、同国が2013年に導入した投資移住プログラム、いわゆる「ゴールデンビザ」制度と関連している。外国人が地元経済に50万ユーロ(約8000万円)以上を投資すればスペインの居住権を取得でき、欧州連合(EU)圏内を自由に移動できるようになる制度で、「居住権さえ確保できれば、市民権、ひいてはスペインのパスポート取得への道が開ける」とアストンズの報告書は分析している。

「投資を通じて市民権を取得できるプログラムは、強力なパスポートを手に入れてビザなし渡航をはじめ各種メリットを享受するための効果的な手段となっている。居住権だけではパスポートは取得できないが、居住権取得ののち時間をかければ完全な市民権を獲得できる国もある」

内外からの圧力を受け、スペインは4月3日をもってゴールデンビザ制度を終了することを決定した。これにより「投資家や外国人は、同じくらい強い影響力をもつ在留資格を提供できる代替地を探すことになるだろう」とアストンズの調査は指摘している。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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