高校を舞台にし、何十人もの子ども達が入り乱れる、撮影陣にとっては「悪夢」とも呼べるエピソード(第2話)もある。
「まさに悪夢そのものでした。作中に登場する子どもたちはみんな、撮影していた学校の生徒なんです。彼らの動きを調整する役割として、ADたちが素晴らしい働きをしました。作中に登場する教師の全員がADで、カメラが彼らに向いていないときは、子どもたちを案内する役割でした。それだけの数の人々を巻き込むのはとても野心的な試みでしたが、子どもたちはこのエピソードに、なくてはならない存在でした」
大きな謎の1つは、殺人の容疑者を演じる新人俳優のオーウェン・クーパーが、本作でなぜあれほどの演技力を見せられたのかということだ。第3話では、彼と心理学者のインタビューシーンがそのほとんどを占め、クーパーはそのエピソードの中で、懇願、威嚇、涙など、さまざまな感情をワンカットで演じきった。
彼が素晴らしい俳優であることは確かだが、どうやら、彼が名演技を見せた1つの理由は、これが彼にとって初めての映像作品における演技だったため、ワンカット撮影の他に撮影方法を知らなかったということらしい。撮影陣は彼に指示するが、彼は何のメモも取ることなく、その通りに演じて見せたという。「彼の素朴さはまさに超能力でした」とルイスは言う。
そう、本作であなたが目にするものは、すべて本物なのだ。第2話のラストショットでは、文字通りドローンを急きょカメラに取り付け、上空から風景を撮影した。なんという快挙だろう。